3月26日、「地域防災計画の見直し」を決定する佐賀県防災会議が佐賀県庁最上階の大会議室で開かれ、傍聴してきましたので、レポートします。
会議の委員は51人から今回人数が増えて67人に。そのうち54人が出席。
「傍聴」と張り紙がおいてあるのが4席分だけでしたが、
10人の市民が傍聴に来ました。
定刻の14時きっかりに開会。
真ん中に座る古川知事が防災会議会長として冒頭挨拶。
「今回新しく委員に加わっていただきました。女性比率があがってうれいいことです。男性がだめだといっているわけではありません」(会場笑い)。
福島の「ふ」の字もない、あたりわさりのない挨拶。この緊張感のなさがすべて、今日の会議の性格を物語っていました。
続けてUPZや避難計画について、担当職員から説明。「UPZは国が概ね30キロというので、県としましてもそのようにしたところでございます」的な話が続く。
知事「何か質問ありますか?」
県市長会の多久市長が発言。(多久市は30キロ圏からちょうどはずれた地域)「30キロですべて対策が終わるだけではないですよねと、市長会として意見を出していたが。今後も対応をお願いしたい」
知事「あくまで30キロは重点的にやるということで、何もやらないということではありません」。
このやりとりだけでした。これで、すべて決定されたようです。
続けて、地震、津波時の物流、病院、通信回線の各公共機関に取り組みを8団体が2分ずつ説明。
対処方法として各機関いろいろ工夫されたと思いますが、原発事故のことは想定外のよう。
知事「以上で本日の会議を終了します」時計を見ると、
14時59分。定刻通りに会議は終わりました。シャンシャン−−
って、これでいいのか!
福島事故を受けた「防災計画」の話だというのに!
福島の事故はまだ終わらず、心休まらぬ日が続いているというのに!
福島原発事故はなかったことにするのか!
「これで地域防災計画の基本ができたから、再稼働はいつでもいいよ」ってことか!
玄海原発事故が起きたら、これで「災害」を「防げる」のか!
防災って、そもそもなんね!という話です。
「原発災害を防ぐには、そもそもやっぱり原発にたよらない社会をつくるべきだ」というそもそも論、真の防災とは何かという発言が1つぐらい出てくれよ!
放射能は距離に関係なく飛んでいきます。
国のデータを使った私達の予測ですら、「7日間で100mSV」の被曝は65キロ、「7日間で50mSv」なら117キロにまで及びます。
何よりも、福島事故の現実の被害を見れば一目瞭然です。
「実効性ある避難計画」をつくるのなら、最悪の事態を想定して、いろんなシミュレーションを県として独自に精査すべきです。国にデータや情報開示を要求し、判断材料を県民に示すべきです。
こうしたことを引き続き、自治体に、議員に、いろんな団体に、市民一人ひとりに、訴えてまわっていきましょう!
県民の命とくらしを守る姿勢がない知事や議員にたよることはできません。
地域防災計画が問題だらけであることを突いてショーラム原発の運転を阻止したアメリカの市民に学んで、私達一人ひとりが動いていけば、必ず止められます!
私達は早速翌日から自治体まわりを始めています。
これまでの私達と県とのやりとりや、この日の資料等を届け、私達の思いを伝えているところです!