9月3日に佐賀県議会原子力特別委員会に提出した「玄海原発の安全性に関して専門家を参考人招致することに関する要請」への回答が、今日18日、石丸博委員長と宮崎泰茂副委員長から、文書と口頭でありました。
「1.県議会原子力特別委員会に、専門家の参考人として、井野博満・東京大学名誉教授を招致すること」について、
「これからの委員会の審議の過程においては必要に応じて、専門家や関係者等を参考人として招致し、様々な立場の意見を聞いたうえでの大所高所からの議論を行っていくことが必要であると考えている。したがって、今回のご提案はその一助として承り、現在行われている国の安全審査の推移を見ながら、しかるべき時に、公正、中立な立場から必要な参考人招致を実施し、その人選について判断してまいりたい」と回答がありました。
「2.井野氏のような原発推進政策に批判的な立場の専門家も招いて、県民参加の公開シンポジウムを県や県議会が主催者となって開催すること」について、
「県が県民に対し説明するなんらかの場は必要と考えるが、県議会が主催となっての開催は考えていない」と回答がありました。
石丸委員長は口頭で「県民の意見を聞いて、代弁するのが県議の仕事。それをしきらんから、シンポジウムを県議会が開くというのでは、県議が不要になってしまう。そうした場は必要と考えるが、県執行部がやってほしいと思う」と述べました。
これを受けて、石丸初美代表は
「ぜひ、専門家のお話をしっかりと聞いて、正しい情報の下に、原発の安全性について議論してほしい。
この場に来ているのは私達だけだが、仕事などでこの場に来れない県民の多くが不安に思っている。本当のことを知らせないで“始まったから、もうしょうがない”では許されない。県民に積極的に情報を出してほしい。
また、県民の意見を聴く会などを各地で開催するよう、知事にも求めていきたい」と述べました。
また、安全審査について7月12日に古川知事が事前了解なしで報告だけですませたことに関して、九電側は「すべて事前了解の対象にしてほしい」と知事にもちかけていたにもかかわらず、知事側が「事前了解にはなじまない」と断っていたことが明らかになっていますが、
宮崎副委員長は「7月1日に九電と県が協議をしたようだが、県が事前了解のために審査するとなると、12日に間に合わないと知事が判断して、事前了解をなしにしたのではないかと個人的には思う」と述べました。
石丸代表は「事前了解などで知事はいつも“なじむ、なじまない”と言うが、県民の命にかかわることに、なじむもなじまないもありません!時間がどうのとか関係なく、やらなければいけないことです」と応じました。
今回の要請について、回答期限とした17日に連絡があり、急遽回答の場がつくられ。会からは5人が同席しました。県議会事務局の方から報道各社に取材案内を出すなど、県民世論を気にされている様子でした。
「井野先生を呼ぶ」とまでは言明しませんでしたが、マスコミ報道もあり、呼ぶのは当然の流れとなってきました。実現すれば、県議会特別委員会でそうした専門家を招くのは初めてとなります。
今後、県議会が、県民の命を守る立場から、専門家の意見にじっくり耳を傾け、安全の確保されない原発は止めていただくという結論を導き出すよう、引き続きしっかり働きかけを強めていきたいと思います。
また、古川知事に対して、事前了解を自ら不要とした問題への追及と、県内全地域・市町において原発再稼働について県民から意見を聴く会を開催することなどの要請を、行っていきたいと思います。
(写真は、回答文を読上げる石丸博・特別委員会委員長。真ん中はもちろん石丸初美代表。いつもと逆の、珍しい構図です)