★2013年10月17日(木)13時〜 九電本店1階ロビー集合/13時半〜15時半
私達は7月3日に九州電力本店との交渉を持ちました。
その直後に九電は再稼働へ向けた安全審査申請を行い、それを受けて原子力規制委員会も現地調査に入りました。私達市民の不安の声を無視して再稼働への動きが急ピッチで進んでいます。
一方で、福島原発事故は収束しないどころか、汚染水問題が日に日に深刻さを増しています。
こうした中での原発の再稼働など、ありえません!
今回の交渉では、<原子力市民委員会の提言に対する見解、フィルターベント問題、自治体への説明>等、前回までの質問に対する回答と質疑を前半に行いました。
後半は、新たな問題として
「メルトダウンしたら、どう対応するの?炉心溶融に対しては、指くわえてるだけで何もしないの!?」
「放射能汚染水はどう処理するの?」
「佐賀県に事前了解願いを出さなかったのはなぜ?」
など、新たに追及しました。
この対策で再稼働はありえない!
「汚染水対策、何も書いてません」!?
今日の玄海原発裁判の会、九電交渉。想定はしていたけど、想定以上に酷かったです。
私達「メルトダウン時の汚染水はどうする?」
九電「格納容器にたまった水を再循環させて...」
私達「炉心が全部損傷して、コンクリートにもとけこんで、格納容器をつきやぶっていくでしょう!大量の汚染水をどうするのか?」
九電「ですから、再循環ユニットで...」
私達「福島の現実を見ているのか!3.11があっても何も学ばないのか。どうして最悪の想定をしないのか。」
「水蒸気爆発の可能性も指摘されているが」
九電「水蒸気爆発は、コンクリートの状態がどうなるかを計算して、可能性は少ないと国に説明している...」
私達「机上の計算だけじゃなくて、ちゃんと実験をしてください。それとも、私達が実験台ですか!」
「そもそも、設置変更許可申請書には何と書いてあるのか」
九電「汚染水としての対策は書いているものはない。放水で落ちた水はシルトフェンスで対策している」
私達(あきれかえる)「それで再稼働はありえない!」
3.11後の日本にいるのは同じはずなのに、住んでいる世界、見えている世界がまったく違うようでした。
また、井野博満教授らの原子力市民委員会の提言を前回提出し、これへの意見を求めましたが、九電は「新規制基準に適切に対応しているので、市民委員会への当社からの意見、反論はありません。」と、質問を黙殺しました。
規制要求以外にも企業の「自主努力」をするというが、再稼働に都合の悪いものには一切耳を傾けません。
瓜生社長はよくも恥ずかしげもなく「世界最高水準の安全」などといえたものです。
福島県郡山市からお見えのHさんも一緒に参加し、一言。「私達は今も地震のたびにおびえています。放射能が怖くても、みんな耳にふたをして暮らしています。そして、分断されています。九電は福島から何も学んでようだ!あんなトミカのおもちゃみたいなポンプ車で何ができる?福島を見れば、こんなことで事故が防げるなんて無理なことがわかる。再稼働の必要もそもそもありません」と訴えてくれました。
質問状
当日提出した質問状です。
玄海原発再稼働の申請に対する抗議と質問状
2013年10月17日
九州電力株式会社
代表取締役社長 瓜生 道明 様
玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会 代表 石丸初美
プルサーマルと佐賀県の100年を考える会 共同世話人 野中宏樹
東京電力福島第一原発は今なお事故が収束しておらず、原因究明・責任追及もなされていません。さらに、放射能汚染水漏れ事故は抜本的解決策がないまま、海を汚し続けています。
こうした深刻な緊急事態の最中に、玄海原発の再稼働申請をし、国の現地調査に多くの時間を割いていることに対して遺憾の意を表明し、強く抗議します。
規制委員会の「活動原則」には「国内外の多様な意見に耳を傾け、孤立と独善を戒める」と謳われています。それに従うべき原子力発電事業者も、国民の意見に真摯に耳を傾けることが求められます。
以下新たに追加する以下の質問にも、具体的な回答をいただくことを求めます。ここで答えられるものは即答で、技術的問題など時間を要すものにも必ず1か月以内に回答ください。
1.福島原発事故はまだ収束していません。第一原発では高濃度の放射線汚染水が、数百トンから1000トン単位で日々太平洋に流出し続けています。
加えて現在、3号機は時折白い水蒸気のようなものを噴出させ、それがなぜ噴出しているのかは未だに原因不明です。メルトスルーした核燃料は、地下深くに陥入し、地下水と接触しているのではと疑われつつ、溶け落ちた核燃料はどこにあるのかも分からないままです。
使用済み核燃料1533体が在る4号機は、補修はしたが未だ脆弱な状態で、地震や台風など自然災害による倒壊の危険は去っておりません。「福島第一原発は、現在も極めて危機的な状態にある」というのが真実だと思います。
このように原因究明も不十分なもとでも、九電の原発は「福島のような事故は起こさない、万全な安全のもとに」再稼働できる状態にあるとどうして言い切れるのでしょうか。貴社の再稼働申請を求める自信根拠を明確に説明してください。
2.7月12日の玄海3・4号機「新規制基準に対する適合性審査申請」について、佐賀県と玄海町に対して、なぜ事前了解願いを出さなかったのですか。
「原子炉施設設置の変更」については、佐賀県と玄海町が九州電力とで締結している「原子力発電所の安全確保に関する協定書」の第4条(事前了解)の第1項の原子炉施設を変更しようとするときは「事前了解の対象になる」と明記されているにもかかわらず、佐賀県、玄海町と九州電力が三者で協議して「事前協議」の対象としないと、内々に決めていたことが伝えられています。これは事実かどうか?及びその経緯と理由を明確に回答ください。
3.玄海で福島と同様の事故が起きた時に、放射能汚染水問題が必ず発生します。海洋汚染や地下水汚染に関するこの重大な問題への対処方法は、今の福島第一原発を見るように確立しておらず、海外から批判も集中しています。安倍首相や五輪関係者は「福島と東京は250キロも離れているから問題ない」と発言し、英国メディアなどから「250キロなど距離は世界から見て、無いに等しい」と批判され物議を醸しだしました。
この汚染水大問題に対し、国が470億を注ぎ込んでも足りないのではと論議されている中、再稼働申請に当たり貴社は、なぜ全く触れず無視し対処方法さえ記述しなかったのでしょうか?
福島の汚染水についてどのような認識を持ち、玄海原発で同様の事態となった時の具体的な対処方法を回答ください。
4.福島第一原発では、メルトダウンしメルトスルーした核燃料が再臨界している可能性も疑われたり、格納容器の底さえ突き破ってコンクリートに喰い込んで地下水と接触していることさえ疑われていますが、高い放射線のため調査さえできないのが現状です。
このような破滅的な事故を見ているにもかかわらず、貴社は、先日の規制委員会との審査のやりとり中で、配管破断が疑われ圧力容器に注水しても水漏れが続くと想像される時には、水素爆発の危険を避けるために「原子炉圧力容器には敢えて何も処置しないで、核燃料をメルトダウンさせる」方針が明確になりました。つまり、指をくわえてメルトダウンさせて、格納容器への水の注水に全力を挙げると回答し、規制委員会から改善指摘を受けた訳です。
この過酷事故に対して、必死で食い止めようと努力する姿勢が見えない貴社に対して、私達は信頼することができないのです。天災や戦争やテロなどによる過酷事故には「こうなったら手の施しようが全くない」ことがおこりうることが分かった上で、再稼働を申請したのですか?端的に、回答ください。
5.同じく、先日の規制委員会との審査のやりとり中で、全電喪失事故の際に要となる「非常用発電機」に「備畜燃料タンク」から燃料を供給し続けるために、配管自動輸送方式を止め、タンクローリー車方式を提示しています。委員は、これに一応の現場評価を示しているようですが、福島事故では鉄塔の倒壊があったように地震・津波による地盤の破壊や瓦礫の散乱状態によって、車が走行できない状態は容易に想像できるところです。配管自動輸送方式、タンクローリー車、に加えさらにという方法をどうして考慮し提起しないのでしょうか?これに関しても、多重防護の考えで説明してください。
以上