飯舘村民には「時間的余裕があった」などと重大な事実誤認をしている古川・佐賀県知事に抗議!

1月17日(金)11時、佐賀県の原子力防災・避難計画について古川佐賀県知事に抗議・質問書を提出してきました。12月3日に提出した質問書の、12月27日付けの回答についての抗議・再質問です。今日は、担当課がいつもの原子力安全対策課ではなく、消防・防災課の職員2名の対応でした。

知事の回答は

(1)福島の現実を無視している

(2)質問に答えず、曖昧な回答でぼかしている

(3)国の施策を説明するだけで、県民の安全のために、県としてどう対処するのかまったくない

−−というひどいものでした。

http://saga-genkai.jimdo.com/2014/01/01/12月3日提出の要請-質問書に対する古川佐賀県知事の回答/

 

特に原発から30キロ圏外の避難計画に関する質問への回答が、福島事故をどのようにとらえているか、それに基づき県民の安全をどこまで守る気があるのか、古川知事の姿勢がはっきりとわかる部分でした。↓↓↓

「飯館村などにおいては、1か月の間に避難をすることが求められました。・・・こうしたことから、UPZの範囲外において避難が必要になる場合は、一定の時間的余裕があることが想定されるため・・・避難計画の策定までは必要ない」

あまりに酷い回答だったため、私達はあらためて飯舘村民が、いかにして「故郷を奪われたのか」を振り返る作業をしつつ、怒りをこめて抗議・質問書を作成しました。

 

野中宏樹・共同世話人は2011年4月21日に飯舘村を訪問した時のガイガーカウンターが振り切れる写真を見せながら、

「これが現実だ。30キロ圏内の避難計画は必要ないとは、いったい何を根拠にしているのか!?」と問うと、担当者は

「国の指針やさまざまな情報をもとに、、、」「ご意見は承りました、、、」

佐賀県の原子力防災を担う彼らは、県民を守るためにいったいどんな情報を集めたというのでしょうか。

私たちが示した飯館村の状況(ネットなどにより簡単に手に入るものばかりです)は何ひとつ把握していませんでした。

 

佐賀県の防災計画をたてるうえで、例にあげた飯館村の、そして福島の現状を知り、それをしっかりとふまえる気など、さらさらないのだとしか思えません。佐賀県の認識がこの程度なのだと、飯館村の方々に伝えたらどんなふうに受け止められるでしょうか?「1ヶ月の猶予」とは、すなわち情報隠しの期間なのですから。

石丸代表「もし玄海原発で何かあったら、私たちも1ヶ月も2ヶ月も何も知らされないということですか!?だまって被曝させられるのですか!」

野中世話人「福島の情報を集め、佐賀でも起こりうることあらゆることを想定し、万全の備えを計画するのがあなたたちの仕事だろう」

再稼働云々の前に、県民の誰もが納得でき、被曝から守られる避難計画をばっちりたててるのが先だろう!

1ヶ月以内の回答を求めてきました。

 

昨日はメンバーで佐賀出身の土井敏邦監督のドキュメンタリー映画『飯館村』を観たばかりでした。

原子力防災担当の職員はこの映画のことを知らないようでしたので、チラシをわたし、 

 

「古川知事をはじめ、すべての佐賀県庁職員は観るべきだ!」と、その場で追加要望をしました。

原子力防災・避難計画に関する佐賀県知事への抗議と質問

※wardファイルはこのページの下部です

2014年1月17日

 

原子力防災・避難計画に関する佐賀県知事への抗議と質問

 

佐賀県知事 古川 康 様

玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会

 代表 石丸初美

プルサーマルと佐賀県の100年を考える会

共同世話人 野中宏樹

 

 

 12月3日に知事あてに提出した「原子力防災・避難計画と再稼働審査の安全性問題に関する要請・質問書」について、12月27日付で回答をいただきました。

 私達の質問にきちんと回答いただけていないものがほとんどでしたので、非常に残念に思います。

 その中でも、住民の命を守ることが第一の使命である知事としての見識を疑わざるをえない回答がありましたので、抗議と再質問をさせていただきます。

 

 原発から30キロ圏外の地域の避難計画の必要性について問うた質問【(1)②(ア)】に対する知事からの回答は以下のとおりでした。

 「飯館村などにおいては、1か月の間に避難をすることが求められました。・・・こうしたことから、UPZの範囲外において避難が必要になる場合は、一定の時間的余裕があることが想定されるため・・・避難計画の策定までは必要ない」

 

 無用な被曝を強いられ、故郷を奪われた飯館村の方達が聞いたらどう思うでしょうか。

 知事は福島原発事故直後に飯舘村で何が起きたのか、ご存じないのでしょうか。

 原発から放出された放射性物質は距離に関係なく、風向きに大きく影響を受けながら飛び散ったこと。

 SPEEDIにより放射能の拡散予測がなされていたのにもかかわらず、情報が隠されたこと。

 そして、住民は、無用な被曝を強いられたこと。

 

 原発爆発の直後から、飯館村内各地でガイガーカウンターが数十マイクロシーベルト(平常時の1000倍程度)を計測しました。専門家による調査チームによる報告も出されるなど、村民に避難指示を出すタイミングは何度もありました。しかし、遅れに遅れて「計画的避難区域」に指定されたのが、4月22日。この時点ですでに村民はかなり被曝をしていたのです。その上さらに、全村避難まで1か月の期間が設けられたのです。

 京都大学原子炉実験所の今中哲二助教らによる調査では、事故直後から同年七月三一日までの村民の平均被曝量は7ミリシーベルトでした。一般人の法令上の被曝限度は1年で1ミリシーベルトであり、その7倍にもなったのです。

 これらのことをもって、「時間的余裕があった」などとどうして言えるのでしょうか。

 

 知事は県民の命を守るべき立場として、重大な認識の誤りを犯しています。

 福島原発事故による放射能被曝や住民避難の状況について詳細な検証を踏まえなければ、実効性ある避難計画はつくれるはずがありません。

 福島の現実を直視せず、国の言いなりになるだけの古川知事の下では、玄海原発で事故が起きた際に、守れるはずの命も守れない悲劇が、佐賀においても現実に起きてしまうことを、私達は非常に危惧します。

 

 よって、【(1)②(ア)】の回答に抗議するとともに、以下の要請と質問をいたします。1か月以内にご回答ください。

 

 

 

【要請事項】

1.福島の現実をあらためて学び直すこと。

2.30キロ圏外も含めた実効性ある原子力防災・避難計画をつくること。

3.防災・避難計画が、すべての住民を放射能被曝から守ることができるような実効性あるものにならない限り、玄海原発の再稼働を認めないこと。

 

 

【質問事項】

1.福島の事実について

・飯舘村民が受けた7ミリシーベルトの被ばくをどう思いますか。

・飯舘村の人達に「時間的余裕があった」となぜ言えますか。

・SPEEDI情報がただちに住民に知らされていたら、無用な被曝を防げたと思いませんか。

 

2.玄海原発で事故が起きたら

・玄海原発で事故が起きた時に、SPEEDI情報が同じように隠ぺいされてもよいと考えますか。

・事故が起きて、30キロ圏外に放射性物質が飛散することがわかった時に、住民の避難などについて県は何もしないで、それぞれの市町まかせでいいとお考えですか。

・国が情報を隠した時や国が誤った判断をした時に、知事は住民の命を守るために、国の方針に背いてでも住民を守るための指示を出しますか。

 

3.県民の命を預かる知事として

 飯舘村民をはじめ様々な方が、福島原発事故直後の生々しい事実、故郷を奪われ地域社会が丸ごとなくなるという到底想像もつかない状況を語っています。飯館村住民の悔しさ、怒りを知事は一人の命ある人間として、何を感じますか。また、玄海原発を抱える県知事として、県民の命を預かる重大な責任のある立場から、何を思いますか。

 福島原発の事故によって、ひとたび事故が起きたら、住民の命が傷つき、ふるさとや自然は放射能で汚染され、とりかえしのつかないことになることが誰の目にも明らかになりました。玄海原発でも、同じことが起こりえます。それでも、原発を進めることが県民の幸せになるとお考えですか。

 

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原子力防災・避難計画に関する佐賀県知事への抗議と質問
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