5月21日の大飯原発3・4号機運転差止請求事件判決をうけて、「玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会」(石丸初美代表)と「反原発・かごしまネット」(向原祥隆代表)は、5月23日に連名で声明を発表しました。
鹿児島でも佐賀でも、再稼働阻止に向けて連日のてんてこ舞いの行動の最中に届いた画期的な判決のニュースに即座に対応できませんでしたが、1つ1つの節目を形にして残しておこうと、2日遅れですが、共同して発表することにしました。
この判決を生かすも殺すも、これからの私達の行動次第です!
声明文
大飯原発3、4号機運転差止請求事件判決をうけて
人格権は、憲法上の権利!
国や電力会社は原発再稼働・原発輸出を中止すべし
2014年5月23日
玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会
佐賀市伊勢町2-14(TEL0952-37-9212)
反原発・かごしまネット
鹿児島市下田町292-1(TEL099-248-5455)
5月21日、福井地方裁判所は、「大飯発電所3号機及び4号機の原子炉を運転してはならない」との判決を下しました。
私達は、福井の原告団・弁護団の活動に深く敬意を表し、この度の判決に喜びと新たな勇気と希望をもらいました。
判決は『原発は、電気を生み出すための一手段、憲法上は人格権よりも劣位に置かれるべきものである。大きな自然災害や戦争以外で、この人権が極めて広汎に奪われるという事態を招く可能性があるのは原子力発電所の事故のほかは想定し難い』とし、また、電力会社がCO2削減を原発の必要性の理由にしてきたことに触れ『原発で深刻事故が起こった場合の環境汚染はすさまじいもの、福島原発事故は我が国始まって以来最大の公害、環境汚染であること、環境問題を原子力発電所の運転継続の根拠とすることは甚だしい筋違いである。』と、原発は人の命と大自然を侵害する恐れのあるものだと明言しました。また、地震問題では、『発生した事象が新たな事象を招き、事象のすべてを取り上げること自体が、極めて困難』と、地震の際の[冷やす][閉じ込める]という構造に欠陥があると批判しています。
この判決は、3年経った今も福島原発事故で故郷や地域社会を奪われた多くの人々が困難と忍耐の中にいることを、今を生きるすべての人々に突きつけてくれました。
判決文は、福島原発事故の被害の甚大さと住民の苦しみを真正面から受け止め、人が生きる権利を原発事故から守らなければならないという強い精神が、私たちの心に響きました。脱原発を願う市民の声と行動が後押しをしたのだと思います。
未だに福島原発事故の原因すら究明されていない中、再稼働、ましてや海外への原発輸出など論外です。
国や電力事業者はこの判決の一つ一つを心から受け止め、福島原発事故の現状を隠すことなく市民の前に公開すべきです。
私たちは、大飯原発3、4号機運転差止請求事件の画期的判決をうけて以下のことを強く求めます。
◆関電は控訴を撤回せよ!
◆国・電力会社は原発政策の破綻を認め、再稼働・原発輸出を止めよ!
◆九州電力は玄海原発・川内原発の再稼働を止め、原子力から撤退せよ!