市民の命を守る避難計画がない中での川内原発再稼働反対!  鹿児島行動に参加してきました

いちき串木野にて
いちき串木野にて

 6月13日、鹿児島県議会開会日、鹿児島県庁前・川内原発再稼働反対集会に参加してきました。

 全国から1000名ほどの参加があり、鹿児島のみなさん、全国のみなさんが代わる代わるスピーチ。

 石丸代表も「福島の方が佐賀に来た時に『事故後、初めて深呼吸ができたよ』と。水や空気、当たり前の自然、当たり前の生活を奪うのが原発。避難計画も佐賀の自治体を全部まわって、具体的に1つ1つ聞いてまわったが、非現実的で被曝を強い るものだとあらためてわかった。再稼働をみんなのチカラで絶対とめましょう」と訴えました。

 その後、知事&議会各会派への要請行動。人数制限があったため、それぞれ代表者が要請にいってきました。

 知事宛には、九州各地の皆さんが集めた12万3364万筆の署名を提出。石丸代表もここに同行しました。

 署名用紙の山を県職員の前にすべて積み上げ、反原発・かごしまネットの向原祥隆さんが「一人ひとりの気持ちのこもった署名です。これを知事にわたしてもらわないといけないが、あなたの手から、どういうふうにして、どう知事にわたすのか、手順を教えてください」と問うと、職員は「保管します」とだけ。

 市民「知事に渡すんでしょう!どうやって渡すのか」

 職員「保管します」だけ!

 市民の声は知事にちゃんと届くのでしょうか!

 裁判の会からも、伊藤祐一郎知事と池畑憲一・鹿児島県議会議長の要請書を提出しました。

 これは前日朝に急きょ賛同呼びかけをして夜には締め切ったのですが、34団体と133個人から要請に賛同していただいたものです。しっかり提出してきました。また、会場でもチラシにして配布しました。

 集約集会後、九州電力鹿児島支店までプチデモ行進。九電は市民を敷地境界から一歩も中に入れさせまいと警戒していましたが、みんなで「再稼働反対」の声を強くあげました。

 

 なんと、この日、伊藤・鹿児島県知事が、川内原発10キロ~30キロ圏内の要援護者避難計画について、「つくりません。空想的なものはつくれるが、実際問題としてはワークしな い」と発言!

 ある意味正直かもしれませんが、要援護者見殺し、住民の命を守る知事のとしての責任放棄!

 避難計画を具体的につついてきた市民の動きが、こうした事態をつくりだしているのだと思います。

 これは各地でも大問題にしていきましょう!

避難計画は弱者を見殺しにする~鹿児島・いちき串木野市土川地区訪問記

 「市民の生命を守る避難計画がない中での川内原発再稼働に反対する緊急署名」運動を展開している、鹿児島県いちき串木野に行ってきました。

 18~20日にかけて行われた県と市による「避難計画説明会」で、避難計画の具体的な中身を質そうと14-16日にかけて市民のみなさんと3日間、じっくり学習・相談の場を持ちました。

 市の説明会では、串木野市民 の仲間が避難ルートや、要援護者の避難等について、必死の思いで質問したところ、お粗末そのものだったことが明らかになったようです。質問者への質問拒否もあったそうです。

 いちき串木野市民の緊急署名は、あと一息で目標の15000筆(人口の過半数)を超えるそうです!応援よろしくお願いします。

 以下、署名集め戸別訪問の際の手記です。

 

 鹿児島県いちき串木野市の最北端、土川地区に、署名集め戸別訪問に行ってきました。市全体では署名訪問が2巡3巡している所が結構あったのですが、ここはまだ1巡しかしていないとのことで、ここを訪ねることしました。

 土川は北部の中心である羽島地区から車でさらに20分、山道を通って行きます。

 川の向こうは薩摩川内市。原発からた った6キロちょっと。

海抜は中心地で4~5メートル、東シナ海に面した約40世帯の漁村。「津波注意」の看板が立っています。

 小学校はだいぶ前に廃校になったそうで、子どもや子育て世代にはまったく会いませんでした。

 田植えしたばかりの田んぼが広がっていましたが、そのすぐ近くには「傾斜危険地区」の看板も立っていました。

 最初に訪ねた家では、おじいさんが一人。「ごめんください」と声をかけてから、しばらく経って、玄関に出てきてくれました。足腰が重たそうでした。署名はまだしていないとのこと、趣旨を話すと、すぐ応じてくれました。

 「病気で手が震えるから字がうまく書けない」と言いつつ、ゆっくりと、しっかりと書いてくれました。

 このおじいさんのこの一筆だ けでも、この日、自分がここに来た意味があるなと感じて、グッときてしまいました。

 

 夫が去年亡くなり一人暮らししている80歳のおばあさん。「事故がいざ起きたらどうなるのか不安だし、原発はいらない。娘と孫が川内で暮らしているが、自分はどうでもいいが、孫のことが心配だ。避難計画のことは何も聞いてないよ。市が説明会を開催するというけれど、夜やられても、車に乗って、遠くまで行けないよ。土川でもやってほしい」

 夫と2人暮らしという82歳のおばあさん。元気だというが、腰が曲がっていて耳が遠く、耳元で大声で話をしました。「ここにはスーパーなんてない。自分が車に乗るのも一苦労なので、旦那に買い物を頼んでいる。あれこれ言って夫を怒らせたらいけないし 、おだてるのが大変なのよ」なんて言われてました。

署名に応じてくれない60代の男性もいました。「まわりの者が署名をするなら、自分もするから。いろいろあっけん」...

 

 田植えを終えて、一服されていた70代のおばあさんに「まわりの人が署名をするなら」なんて言う人もいましたよと伝えると「まわりがどうこうというのじゃ、だめ。一人ひとりが自分で考えてものをいわないと。自分は川内の出身だが、何も知らなかった。でも、ちょっと節電したりすれば、もう十分」。署名はもうしたとのことでした。説明会は「できれば行きたいが、夜だし、分からない」。周囲に気兼ねして、自分の意見も言えない人もいれば、自分の意見をしっかり持っている人もいることに、少しだけホッとし ました。

 

 この日はずっと雨で、途中、雨風が結構強くなり、体も靴の中もびしょびしょになってしまいました。帰る時には、自衛隊車両が急ぎ足で通り過ぎ、「土砂崩れでも起きたのだろうか」と心配しましたが、幸い、それはなかったようです。集中豪雨などによる土砂崩れで道路が寸断、孤立する恐れもあります。

 情報が届くかも心配です。耳の遠い方がいること、停電によりテレビなどが見れなくなること。また、携帯電話の電波が入りにくいこと。事故が起きたら、その情報は住民一人ひとりに届くのでしょうか。

 避難計画では、自力では動けない要援護者の避難計画は具体的にはほとんど何もなく、それぞれまかせ。「共助」という言葉で行政の責任放棄です。

 伊藤・鹿児島県知事は 「(10キロ圏外の)避難計画は空想的」「つくりません」と吐きましたが、知事や権力者は、過疎の町の一人では身動きがとりにくい方達をまさに「切り捨てる」、「見殺し」にするんです!

 こんな避難計画、認められますか?許せますか?

 署名集めは数が大事。そして、その1筆1筆の重みがもっと大事。その重みを感じて、1人1人が気持ちを、怒りをあらたにしなければ、再稼働は止められない。

 市民の生命を守る避難計画がない中での原発再稼働、絶対反対!

 声を上げるのは今しかありません。

 いちき串木野を応援しよう。

 自分達の町から声をあげよう!

要請書

2014年6月13日

要請書    福島原発事故の収束なしに再稼働は許されない

今を生きる大人たちが、未来を選択する責任の時代に生きている自覚を持つべし

 

鹿児島県知事    伊藤 祐一郎 様

鹿児島県議会議長 池畑 憲一  様

 

玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会

代表 石丸初美

〒840-0844 佐賀県佐賀市伊勢町2-14

連絡先:090-3949-2103 事務局長代行 永野浩二

 

 私たちの会は、九州電力プルサーマルに使用されているMOX燃料が不良品ではないか?その燃料の挙動について十分に検討し安全立証ができていない、この声を無視する商業実験は止めなさい!と「みんなで止める」決意をして、2010年8月9日に提訴しました。そして、その裁判の二回目の審理中に、あの3.11福島第一原発での大事故が起きたのです。

 それまで、国も九電も佐賀県も「原発は絶対安全、事故など絶対起こさない。仮に、万が一起きるようなことがあっても放射能が外へ飛び出すようなことはありえない」と言い続けてきたのです。しかし、その安全神話は完全に崩れました。2011年4月、事故発生から1か月経過しても、福島の事故は爆発から拡大の一途を辿っていました。とうとうプルトニウムまで土壌から検出され、田畑と海の汚染は止まるところを知らないということが、当時の新聞を読むと書かれています。終息の見通しなど全く立たず、破壊され白煙が立ち上り倒壊の恐れもある原発建屋の姿に将来への不安は強く大きく高まり、もう原発などとても社会的に認められることはないだろうと思われていました。

 そして、3年が経った今も「原子力緊急事態宣言中」が変わることなく、汚染水は流れ続け、冷やし続けるだけで精一杯、原因が本当に解明され廃炉作業に入れるのは、いつの日のことか分かりません。ところが、今、この状態で九州電力は再稼働しようという気になっているのです。私たちは信じられません。このところの環境経済研究所の専門家によるシミュレーションや私たちの自治体向けの質問調査で、重大事故時の原子力防災避難計画には不備が多く机上の空論、何も具体的には準備できてないことが分かってきました。

 そんな中、去る5月21日、福井地裁で大飯原発の再稼働は認められないとの判決が出ました。福島事故で「100%安全な原発はありません」と認め、「いざという時には逃げていただきます」と言う国や事業者に対し、司法が、何よりもまず住民の人格権を尊重し、事故のリスクは計り知れない程大きく生物と環境を破壊することから、万が一でも危険があるならば運転してはならないと裁いたのです。

 この15年間に日本列島周辺では、マグニチュード6.0以上の大地震が全世界の20%も発生しています。数多くの火山を有する地震国です。しかし、国や自治体や九電の事故避難計画に対する心構えを訊くと、万が一は、十万年か一万年に一度しか起こらないかのような想定を感じさせられます。スリーマイル、チェルノブイリ、フクシマの三大事故だけではなく、日本では東海村JCO臨界事故やもんじゅナトリウム漏れ事故に続き、2007年の新潟県中越沖地震においては柏崎刈羽原発の火災事故と放射線漏れ事故で、7基すべてにあわやと思える局面がありました。これまでも偶々運がよかっただけなのです。

 もう忘れてはなりません、原発は、福島のように一瞬にして国土を焦土と化し国民の未来のすべて奪ってしまうものです。

 私たちは、避難さえできず要援護者など弱者を切り捨てしまうような現在の驕りの計画の中で、原発を二度と動かしてはならないと思っています。ここに、私たちは九州に在る川内原発・玄海原発の再稼働に強く反対し、永久に運転停止することを要請致します。

要請書のWordファイルはこちら

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★2013.6.13川内原発再稼働阻止声明文(鹿児島県知事へ).doc
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