4月22日、鹿児島地方裁判所は九州電力川内原発1・2号機再稼働差止を求めた仮処分について、住民側の主張を全面的に退けて却下しました。
3.11の甚大な犠牲を忘れたかのような司法の判断に納得がいかないと、債権者(原告)住民はただちに即時抗告を表明しました。
玄海MOX判決は、国と九電の言い分だけで、あとは完全シャットアウトでしたが、鹿児島地裁決定は言い訳をたらたらと書いています。
弁護団全国連絡会声明をぜひお読みください。
◆判決要旨や当日の弁護団声明
http://www.datsugenpatsu.org/bengodan/news/15-04-21/
◆脱原発弁護団全国連絡会声明(23日付)
http://www.datsugenpatsu.org/bengodan/archives/15-04-23/
賠償金の脅しに屈せずに、全財産を没収されるかもしれない不安を一蹴して債権者(原告)にとどまったみなさん(鹿児島4人、全12人)がいて、初めて成り立った今回の仮処分裁判。鹿児島地裁が、全国の注目を集め、言い訳ばかりの屁理屈判決を出さざるをえなかったのも、市民が腹をくくって声をあげたからですね。みんなでそれを支えあっていきましょう。
鹿児島地裁に佐賀からも駆けつけ、
また、佐賀では決定直後、佐賀玉屋前でただちに宣伝行動を行いました。
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川内原発再稼働差止仮処分 不当決定!
司法は3.11の甚大な犠牲を忘れたのか!
私たちは命とふるさとを奪う原発なくすまで行動します
本日22日、鹿児島地方裁判所は九州電力川内原発1・2号機再稼働差止を求めた仮処分について、住民側の主張を全面的に退けて却下しました。
3.11の甚大な犠牲を忘れたかのような司法の判断に納得がいかないと、債権者(原告)住民はただちに即時抗告を表明しました。
仮処分決定は、争点となった地震、火山について「原子力規制委員会が最新の科学的知見等に照らし、その内容に不合理な点は認められない」と、国の判断を丸呑みしました。
鹿児島県知事自らが「10キロ圏外の要援護者の避難計画は空想的だ」と発言するなど問題だらけの避難計画についても、「実効性を備えている」として認めたのです。被ばくしないで避難できるのか、災害が終わった後、元通りの生活を送れるのか、住民の不安に何も答えていないきわめて無責任な決定です。
裁判所は、人格権を侵害されている国民の最後の"駆け込み寺"としての良心を捨てさり、国策に完全屈服したのです。
川内原発は、原子力規制委員会委員長が原発について「基準の適合性を審査した。安全だということは申し上げない」と発言したように、文字どおり基準に適合しても安全性が確保されているわけではありません。全国すべての原発についてまったく同じで、何ら安全性が保証されたわけではないのです。
3月20日、佐賀地方裁判所は、「玄海原発3号機MOX燃料使用差止裁判」において、私達原告の訴えをすべて棄却する不当判決を下しました。「MOXとウランの差異なし」との国の判断に従い、司法独自の判断を放棄し、核燃料サイクル維持という国策への完全屈服でした。私達は命のために、ひきさがるわけにはいかず、ただちに控訴しました。
安全性より経済性を優先し、法の主旨をないがしろにする原発行政を続けてきた国や自治体に、電力会社。そして人権を守る最後の砦であるにもかかわらず、それを追認してきた司法。市民が、引き続き裁判や、法廷の外の運動で、行動していくしかありません。
東京電力福島原発事故の甚大な犠牲の教訓は、すべての原発をなくすことしかありません。
原発は動き続ける限り放射性廃棄物を増やし、それを未来の世代へと押し付けます。被曝労働者なくして維持できない施設でもあります。子どもたちに夢を持てるような社会と、安心して暮らせる地球を渡すため、みんなで声を上げ、1歩1歩前へ進んでいきましょう。
2015年4月22日
玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会