「原発の近くに住む私達を見捨てるのですか!」by市民(複合災害問題)
「学術的に正しいかどうかを確認するのではない」by規制庁(巨大噴火への九電の判断)
6月29日、川内原発再稼働に関する政府交渉が行われました。テーマは火山、高経年化(老朽化)、避難計画(ヨウ素剤と複合...災害孤立集落)。
毎度、政府の対応に酷さを感じていますが、再稼働が近づき、そのいい加減さが、開き直りという形でいっそう強まってきている感じがします。
印象に残った点を報告します。
◆火山破局的噴火
市民「破局的噴火の九電の判断基準は正しいのか」と聞くと、
規制庁「学術的に正しいかどうかを確認するのではない」と開き直り発言!
「規制委自らそんなこと言っていいんですか!」と会場は騒然。
◆高経年化(老朽化)
市民「30年目までに義務つけられた高経年化に係る審査が終わっておらず、認可がない中での再稼働は問題」と質すと、
規制庁「申請はされたので、法的には問題ない」とここでも法律を公然と軽視する開き直り発言。
◆避難・ヨウ素剤配布
市民「ヨウ素の訓練は不可欠と規制庁文書にも書いてあるが、行ったのか?」
内閣府「2年前に2か所で」「屋内退避が主たる措置で、ヨウ素剤は従たる措置だから」と、繰り返し言いわけ。
市民「訓練を受けた医療関係者は何人いるのか?」
内閣府「把握していません」
◆避難・複合災害孤立集落
玄海からも質しました。
市民「玄海30キロ周辺も66か所あった。佐賀県にデータを教えてくれと聞いたら、国に聞かないとわからないと言われた。毎日新聞で報道が大きく出てから、自治体や住民にどう知らせたのか」
内閣府「(もごもごと)内閣府からの要請で、各県を通じてやられたので...。」
市民「ただちにどう対応して、知らせたのかと聞いている。
内閣府「(担当者同士、顔を見合わせて)まだ確認していない...」
市民「命がかかっている。こんな状態で、再稼働ありえない!」
・・・終始こんな調子でした。
川内原発30キロ圏の鹿児島県姶良市の松尾晴代さんは、締めくくりに発言されました。
「先日1300ミリの豪雨に見舞われた。30キロ圏の松生地区への道路は倒木と落石で通行止めになって近づけなかった。まして原発との複合災害時はどうするのか。原発の近くに住む私達を見捨てるのですか!
今日もガッカリして鹿児島に帰ります...。九電の方ばかり見るのではなく、私達のことを見てください!」
裁判の会、石丸初美代表も一言。
「あなた方は3.11以降、『原発事故は起きる、放射能は拡散する。だから避難訓練をやれ』といった。しかしその対策はフクシマの事故から何一つ学んでいない。私たちは、土地を奪われたくないのです、命を奪われたくないのです。規制委員会なら、逃げなくても、土地を追われなくてもよいための仕事をしてください!」
こんなめちゃくちゃな国に、私達の命を預けられません!
再稼働はありえない!
問題点を整理して、追及を強めていきます。