7月18日、『高木仁三郎市民科学基金2014年度助成研究成果発表会』が東京で行われました。
裁判の会では2014年度、「玄海原発事故時における自治体の避難計画の実効性の検証」の調査研究活動について40万円の助成金をいただきましたので、発表会において報告をさせていただきました。
避難計画については、これまでFBやHPで随時報告してきましたとおり、自治体、福祉施設にアンケートや面談でまわったり、避難所や避難路の実地検証、避難訓練見学などで確認・検証しながら、避難計画が机上の計画であることを具体的に明らかにしてきました。
15分の発表に加えて、10分の質疑時間では9人もの方から質問・コメントが出るなど、熱心に聞いていただきました。
◆パワーポイント報告(PDF版)を下記にアップしました。
http://saga-genkai.jimdo.com/避難計画で命は守れるのか/
川内「再稼働」の急展開、玄海MOX裁判不当判決(3月20日)など、この1年はあわただしい中でしたが、「避難計画」を時宜にかなったテーマとして実践的な調査活動を進めることができました。
玄海原発を止めるために、裁判と運動を“車の両輪”にして、運動面では引き続き避難計画に重点をおいて活動を進めていきたいと思います。
助成をいただいたことに対して、高木仁三郎市民科学基金を支えるみなさまに感謝申し上げます。
発表会全体としては・・・
福島の子ども達の健康を守るための尿検査など市民の手による独自の検査・支援活動、
原発事故子ども被災者支援法の理念を実施させるための行政の無策への粘り強い働きかけ、放射能など環境を測定するために、創意工夫で改善を重ねるエアサンプラーの開発、
火山問題での原子力規制委員会への徹底した監視活動、原発を廃炉へと追い込むために避難計画などの問題点の検証や自治体へ要請、大気汚染の発生源を突き止め、産廃粉砕工場計画を撤回させた取り組み...等々、いずれも市民の地道な粘り強い科学的な取り組みが続々と報告され、普通の市民の行動が社会を変えていく原点だということを再認識させられました。
※同基金は、2000年に亡くなった反原発の市民科学者、高木仁三郎さんの遺志によって設立され、氏の遺産と基金の主旨に共鳴する一般の方からの会費・寄付を財源として、「市民科学」を志す市民やグループへの調査研究・研修を助成されています。
高木仁三郎市民科学基金
http://www.takagifund.org/about/index.html