「佐賀だけの問題でなく福岡や長崎とも関係する。皆さんの思いをしっかり受け止める」(山口知事)
本日6月10日、脱原発社会を目指し活動している私たち佐賀県内8団体は、山口祥義知事と中倉政義佐賀県議会議長に対して玄海原発の再稼働を認めないことを求める署名9万筆余りを直接面会の上、手渡しました。
全国から集まった署名数は47都道府県から9万1388筆。佐賀県内11203筆、県外で80185筆。
全国のいろんな人達の思いが込められて、人から人へ、回り回って、知事の目の前に届けられたのです。
私達は「いつ福島原発事故のような惨事が繰り返されるかわからない。核のごみも未来へのつけまわしになる。放射能被害は人生、ふるさとを根こそぎに奪ってしまう。子ども達の未来のために、再稼働を認めないでほしい。全国47都道府県からの署名者の意思を重く受け止めてください」と訴えて、署名を知事に手渡しました。知事も「全県?」と驚いたようでした。
5万3859筆もの署名が集まった福岡県から駆けつけた荒川謙一・裁判の会副代表は「昨年の福岡県での避難訓練も見学したが、どう連絡がいき、どう逃げなければならないのか、まったく不十分だった。糸島市では避難計画についての説明会が最近行われているが『九電がなぜここに来ていないのだ』との声も出た。福島原発事故の解明もされない中で、再稼働はあってはなりません」と、500万福岡県民の一人として思いを述べました。
知事は再稼働の是非は触れずに「自然エネルギーや再生エネルギーで電気が生み出せたら素晴らしい、そのシェアをこれから増やしていく努力を全力でやっていくつもり」「原発をどのように安全にキープしておくようにあるべきなのだろうかということを毎日考えている。」と延べた上で、「佐賀だけの問題でなく糸島をはじめ福岡や長崎とも関係するから、改めてその意識を持ちしっかり考えていきたい」と応じました。
また「皆さん方の思いはしっかりと受け止めて、私は1年前に皆さんともお会いした。今回、署名ということで、節目節目にこうやって会う時間があるということが健全だろうと思っている。」と言いました。
知事が常々、「原発の安全性は国が判断」「"地元"の範囲を決めるのは国」だと、国策に追随する発言を繰り返してきたことを知っている私達は、
「知事は就任以来"県民党"ということをよく言われるが、原発は佐賀県民の命と安全、さらに隣接県民の命と安全にも関わること。国の立場を待っていては判断できない。県のことは県民で、私達のことは私達で決めさせてください。知事も県民の立ち位置に立って、再稼働に関してしっかりと考えていただきたい」と念を押した上で、「我々と会って"聞きましたよ"だけでは、ポーズだと言われても仕方ないと思います。」とあえて釘を刺しました。
知事はすかさず「ポーズとは思ってないですね。」と応じました。この言葉、みなさん、しっかり覚えておきましょう。
知事の言葉を受けて、8団体でつくる脱原発佐賀ネットワーク世話人の野中宏樹・プルサーマルと佐賀県の100年を考える会共同世話人は「であれば、なおのこと、中身のことをしっかりと考えていただきたい。9万1388筆というのは一人ひとりなんです。一人ひとりのお母さんや子ども達の想いがここにあるということを、真摯に受け止めていただきたい」と締めくくりました。
再稼働の権限を握るのは玄海町長と佐賀県知事だけ。しかし、事故が起きたら被害地元は、佐賀県にとどまらず、福岡県、長崎県、全国に及ぶのです。このことの重大さを、知事に強く認識させる機会になったと思います。
被害地元の福岡から、長崎から、全国から、玄海原発再稼働反対の声を、さらに大きくあげていきましょう!
もちろん、佐賀からも今まで以上に、じゃんじゃん声をあげ、行動していきたいと思います。
原発は経済の問題でも、エネルギーの問題でもなく、命の問題。
「原発いらない!」とまっすぐに訴えていきましょう!
わずか15分の面会時間をどう活かすか、提出文書をどうまとめるか、喧々諤々議論しましたが、一歩前進を勝ち取ることができたと思います。
全国のみなさん、署名へのご協力、本当にありがとうございました。
原発再稼働への動きを憂慮する私たちは、
署名文に書かれたこと以外について、以下、
九州電力は、
九州電力の免震棟建設撤回を決して認めないで下さい。
原発事故と地震などとの複合災害では、
避難計画を根本から見直し、
玄海原発の再稼働の是非についてはもちろん、
これらの問題を広く県民が議論できる公開の場を、
貴職には佐賀県民の命はもちろんのこと、
私たちのふるさとを守るため、子どもたちの未来のために、
2016年6月10日
東京電力福島第一原発事故では未だに10万人もの福島県民が避難生活を強いられており、放射能汚染は福島県だけでなく関東・東北に広がっています。事故の原因はおろか、その詳細な実態も分からず、また事故収束のめども立っていません。それどころか放射能は放出され続け、福島第一の「原子力緊急事態宣言」は今なお発令中です。
九州電力は今秋にも玄海原発の再稼働を図ろうとしています。しかしその安全性を審査する国の新規制基準は、「(福島原発事故の教訓を踏まえた)世界最高水準」という政府の宣伝文句とは正反対です。たとえば過酷事故対策では溶融炉心を溜め水で受け止めるという、水蒸気爆発の危険から世界中ほとんどの国がやらないような方法を採用しています。またそもそも避難計画は審査の対象にさえなっていません。その避難計画も実効性がないだけでなく、住民の被ばくが前提となっています。
このような危険な原発を、しかも不十分な規制基準で運転すれば、またいつ福島原発事故のような惨事が繰り返されるか分かりません。また、使用済み燃料の最終処分方法は未だに決まっておらず、未来の世代への付け回しになります。
このような中で玄海原発の再稼働などあり得ません。もし事故が起これば、放射能によって私たちのふるさとは根こそぎ奪われてしまいます。
こうしたことから、以下、要請します。
【要請事項】
原発事故を繰り返さないために、子どもたちの未来のためにも、知事および県議会は決して原発再稼働を認めないで下さい。
【呼びかけ】
玄海原発対策住民会議(藤浦晧会長)
玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会(石丸初美代表)
原発を考える鳥栖の会(野中宏樹代表)
原発なくそう!九州玄海訴訟・原告団(長谷川照原告団長)
佐賀県原発問題対策協議会(河西龍太郎会長)
さようなら原発1000万人アクション佐賀県実行委員会(原口郁哉委員長)
さよなら原発!佐賀連絡会(豊島耕一代表)
プルサーマルと佐賀県の100年を考える会(野中宏樹共同世話人)
【追記】
6月10日に提出した8団体共同の佐賀県知事&県議会議長宛ての署名について、提出後も事務所などに届きましたので、今日6月22日、「署名者の意思を受け止めてください」と、それぞれに追加して提出してきました。
(2016年6月22日追記)
報道
◆STSサガテレビ(2016/06/10 18:39)
【脱原発団体知事に9万人分署名提出】
脱原発を訴える市民グループが10日県庁を訪れ、玄海原発再稼働に反対するおよそ9万人分の署名を山口知事に提出しました。署名を提出したのは、原発の再稼働に反対する8つの市民団体で作る、市民グループ「脱原発佐賀ネットワーク」です。この市民グループは、玄海原発の再稼働阻止を目的に今年1月から全国各地で署名活動を行い、10日山口知事に集まった9万1388人分の署名を提出しました。市民グループは「放射線被害は、生活や人生などいろいろなものを根こそぎ奪っていく。私たちの思いをくみ取っていただきたい」と訴えました。これに対し山口知事は「佐賀だけの問題でなく福岡や長崎とも関係するから、改めてその意識を持ちしっかり考えていきたい」と応えました。
【野中宏樹世話人】「事故につながるという確率が1パーセントでもある限りは、やはり原発は再稼働するべきでないという多くの人たちの思いが、ここに集まったと思っています」
◆NHK佐賀 06月10日 12時25分
【原発再稼働反対9万人余の署名】
原発に反対している県内の市民グループが玄海町にある九州電力玄海原子力発電所の再稼働を認めないよう求める9万人余り分の署名を佐賀県の山口知事に提出しました。
署名を提出したのは原発に反対している県内の8つの市民グループでことし1月から県内各地や福岡県などで集めた9万1388人分の署名を佐賀県庁で山口知事に直接、提出しました。
署名の文書の中で市民グループは「不十分な規制基準で運転すればまたいつ福島第一原子力発電所の事故のような惨事が繰り返されるかわからない」として玄海原発の再稼働を認めないよう知事に求めています。
署名を受け取った山口知事は「私も自然エネルギーのシェアを増やしていくことに全力で取り組みたいと思う。皆さんの思いをしっかり受け止めたい」と述べました。
九州電力の玄海原発3号機と4号機の再稼働については国の原子力規制委員会による安全性の審査が進められています。
8つの市民グループでつくる「脱原発佐賀ネットワーク」の世話人、野中宏樹さんは「原発は再稼動すべきではないという多くの人たちの思いがここに集まったと思う。再稼動を食い止めるために九州電力や国にも力を込めて働きかけていきたい」と話しています。
http://www3.nhk.or.jp/lnews/saga/5083013181.html
◆東京新聞 2016年6月10日 夕刊
【玄海原発の再稼働反対9万人署名 佐賀の市民団体、知事に提出】
http://www.tokyo-np.co.jp/…/…/201606/CK2016061002000252.html
脱原発を訴える佐賀県内の市民団体は十日、九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)の再稼働に同意しないよう求める約九万人分の署名を山口祥義(よしのり)知事に提出した。直接受け取った山口知事は、署名が県外からも多く寄せられたことを受け「佐賀だけの問題ではなく、福岡や長崎とも関係する。そういう意識を持って(再稼働の是非を)考えていきたい」と述べた。
署名は今年一月から、県内八団体で作る「脱原発佐賀ネットワーク」が全国で集めた。市民団体は「原発を不十分な規制基準で運転すれば、また東京電力福島第一原発事故のような惨事が繰り返される」と訴え、県と住民との公開討論の場を設けるよう要望した。
玄海原発は1号機の廃炉が決まり、3、4号機は再稼働に向けた審査が進んでいる。山口知事は再稼働について、幅広い意見を聴いた上で判断するとしている。
◆佐賀新聞 2016年06月11日 09時08分
【「玄海原発再稼働反対を」 署名9万人分、知事に提出 佐賀県内8団体】
http://www.saga-s.co.jp/news/
◆RKB毎日放送 6月10日(金) 19時39分
【玄海原発再稼働反対知事に署名提出】
https://youtu.be/KMwe2QzC45c
◆共同通信(東京新聞、北海道新聞他、全国の地方紙)
【玄海再稼働反対9万人署名 市民団体、佐賀知事に提出】
http://this.kiji.is/
http://dd.hokkaido-np.co.jp/
◆朝日新聞 2016年6月10日12時31分
【玄海原発の再稼働、反対署名9万人超 知事に提出】
http://www.asahi.com/articles/
◆毎日新聞 2016年6月10日 西部夕刊
【佐賀・玄海原発 再稼働反対署名9万超 佐賀知事に提出】
http://mainichi.jp/articles/