【原発いらない!伊万里ポスティング4回目:水とスイカとトコロテン。】

7月30日(土)、伊万里ポスティング4回目でした。今回は4人で午前の2時間半かけて、やっと最北の波多津地区を終え、黒川町にも配布を始めました。

いつも安くて新鮮な野菜を買う直売所では、前回預かっていただいたチラシがもうなくなりそうだということで、補充させてもらいました。
もちろん、ピーマンやナス、かぼちゃなどを買ってから!
直売所に近所のおばさん達が来られると、店長はさっそくチラシを渡してくれてました。

農村地帯は一軒一軒が離れていて、坂道を上っては下って、また歩いてというポスティング。汗もたくさんかきました。自分の中では、4回のうち今日が一番汗をかきました。

農作業の合間に休憩されているご夫婦がいらっしゃいました。風がよく通る木陰でした。
お話しをうかがうと、原発などなくても電気は足りていること、使用済み燃料問題の無責任さ、被ばくのこと(原発の孫請けで働いていたこともある)などもよくわかっておられました。伊万里では「バイオマス発電」の事業所がいくつかあり、先日視察にも行かれたそうです。
「ボランティアでこうした活動を?なかなか人のために動けないよ。えらいなあ」と言われたので、「いえいえ、自分たち自身のことですから。気づいた人から動いていくしかないですもんね」とおこたえしました。
「水分とっとっと?湧き水を汲んできてるから、それを飲んでいきなよ」と、奥様が家に戻って、お水をもってきてくださいました。手持ちのお茶も切れかけていたので、まろやかなお水は体にスーッとしみ込んでいきました。
「水道水には消毒剤とか入っているからね。この水が体に一番いい」。
でも、命の源の水が汚されてしまうのが、原発事故なのです。
さらに、ご近所さんからいただいたというスイカも切ってくださり、そしてそしてさらには「全部自分たちでつくったトコロテンもある。水はもちろん湧き水を使ってね。食べていかんね」と。お言葉に甘えさせていただき、ツルツルっと、ごちそうになりました。
8月10日に行う福島の方のお話し会のご案内をすると
「事故は誰も責任とってないし、終わってないもんね~。その日、できれば行ってみたい」と仰ってくださいました。
居心地の良さにだいぶ長居してしまい、もう1つの班との待ち合わせ時間を大幅に過ぎてしまいました。お礼を述べて、木陰のオアシスから立ち去ろうとすると、ちょうど別班の仲間から電話!
「あ、ちょっと話しこんでたら、遅くなっちゃってごめんなさい(こっちだけトコロテン食べててごめんなさい!)」

合流して、道の駅の食堂で伊万里牛カレー、伊万里牛ハンバーグののったロコモコ丼をそれぞれ食しました。さらに、今が旬の伊万里梨を試食し、そのみずみずしさについついお土産に買って、帰途につきました。

豊かな自然、おいしい食べ物こそが、生きる源。
ここ伊万里には、それが、ある。

市民の中で「原発はいらない」という気持ち、「原発に頼らないでやっていける」という実践が、確かにあるのを感じた1日でした。
汗をかいた分、いや、それ以上の元気をいただきました。

私たちのポスティング活動は、一歩一歩進めていきます。
千里の道も一歩から!


次回日程は再度告知します。
また「この日なら私も行ってみたい」という方、連絡ください。
道案内いたしますので、一緒にまわりましょう!

◆これまでのポスティングの様子はコチラから➡


参加されたKさんの感想
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伊万里ポスティング報告
 2016年7月30日(土)伊万里市波多津地区へのビラ配りに参加した。糸島から伊万里までは、西九州道(無料部分)が整備されていて、福岡市から伊万里市まで1時間20分の道のりだった。
 
 配ったチラシの中身は、「そいぎ2号」・「玄海原発の事故のために家やふるさとを捨てて逃げられますか?原発は放射能の問題です」のカラー版・「菅野みずえさんと語ろう会」のお誘い、である。
 
 まず、波多津「ふれあい広場」で合流。福岡からBさんKさん2名・佐賀からIさんNさん2名による、総勢4名の精鋭部隊。2組に別れて行動。現地に着くと、一人ひとりで行動。
 
 配り終えての昼食兼報告会では、Iさんが、「一人だけ、『原発賛成。』の人がいた。」と報告。しかし、出会えた多くの人達は、「ご苦労様です。」「ありがとうございます。」と感謝の言葉を返してくれた。
 中でも、Kさんが感激したのが、一組のご夫婦である。Nさんの姿が、急に見えなくなったのを心配したKさんが見つけたとき、Nさんはご夫婦と3人で話し込んでいた。そこは、側に柿の木や蜜柑の木が大きく茂るコンクリート小道の地べたの上であった。この日は、精鋭部隊4人ともに、汗だくだくの天気だったのにも関わらず、ここでは、涼しい風が常に吹き抜けていた。
 
 会話の途中で、お父さんは、「心太知っとうね。僕が心太の花を海で採ってきて、そこの木で干して、奥さんがゴミを一つ一つ取って、自分で料理したとよ。」と心太をガラスの器に入れて出してくれた。それに、譲ってくれたスイカに塩壺を付けて出してくれたり、40分掛けて行った温泉で汲んできた温泉水も飲ませてくれたり。言われたとおりに本当に美味しい水だった。
 
 しかし、出してくれた、まさしくご馳走だけが感激の素ではない。「自分の時間を使って、こんなことしてくれてありがとう。」と言ってくれたことだ。
 
 なおも、お父さんは、「自分の奥さんを褒めてなんだけど、奥さんは偉いとよ。独居老人に弁当ば届けようと。」と教えてくれた。奥さん、明るい顔で聞いていた。今は、民生委員さんが動いてくれるようになったそうだ。一人の行動が周りを動かしているんだなと感じた。
 
 たぶん、誰が何を言おうと、反原発の思いや行動が変わることは無いけれど、こんな人たちに会うと元気が出るものだ。
 また、ある家では、南に大きく開けた庭先で、広いビニルプールを出してもらって、二人の小さな女の子が遊んでいた。お母さんは、家の内外と動き回りながら、様子を見守っていた。こんな平和な光景が事故で失われてはならない。
 
 お花の大好きなおばさんにも会った。綺麗な花が沢山並ぶ庭先で、チラシを見せながら、「こんなに放射能が高くなったら、赤ちゃんは心配ですね。」と言うと、「うちは、おじいちゃんが赤ちゃんみたいだから。」と心配していた。もし、地震が起きていざ避難となると、今日通った道は、もろくて細かった。熊本地震のとき以上に切断され、公民館までの長い道のりは、歩けない。おばさんは、「死なんといかんね。」とこちらを見て言う。
 おじいちゃんも、おばあちゃんも天寿を全うして欲しい。小さい子も、地域の人や環境から、たっぷり愛情を受けて育って欲しい。原発に命を生活を奪われたくない。
 海と緑がまぶしい夏の郷を行きながら、心に強く願った。