玄海原発避難訓練の見学・監視に仲間と手分けして玄海町、唐津市、伊万里市、糸島市へ行ってきました。安定ヨウ素剤、スクリーニング、「熊本地震を踏まえた避難」…等、今日見てきたあまりに酷い、時に笑っちゃうほどばかばかしい避難訓練の現実を以下随時報告していきます!
【玄海原発避難①:玄海小・保護者引き渡し訓練 子どもに不安と悲しみをおしつけるな!】
まずは玄海町役場、「玄海みらい学園」玄海小学校・中学校、避難先の小城の公民館などを見学。
中でも印象に残ったのは玄海小でした。生徒300人の町唯一の小学校です。
今回、初めて生徒の保護者への「引き渡し訓練」が行われました。
玄海原発30キロ圏の学校では事故が起きたら、すぐに親に迎えに来てもらうというのが基本となっています。避難指示が出たら、残る生徒たちはバスで避難。
今日の訓練では300人のうち50家庭の親が来るということになっています。
あらかじめ分かっている今日でさえこの数ですから、現実の突然の事故時にはどれだけ親が迎えに来れるのでしょうか。
逆に学校入り口は大渋滞になったりしないのでしょうか。
子ども達はロビーの床に座り込み、親が来るのをただただ静かに待っています。
親の車が到着すると、「引き渡しカード」と照合して一人ずつ呼び出されていきました。
それをただただ見つめる子ども達。
原発事故という得体の知れない恐怖の中で、親が迎えに来てくれるのか、すぐに会うことができるのか…
子ども達の不安なまなざしを見ていて、なんだか悲しい気持ちになりました。
原発からわずか5,6キロの地にある学校。
放射能はあっという間に襲ってくるかもしれません。
なのに、校舎のドアは開けっぱなし。
教職員は普段の恰好、マスクは誰もつけず。
放射能測定器も学校に備わっているのに、まったく使わず。
「放射能からの避難」ということがほとんど無視されているような訓練に、どんな意味があるのでしょうか。
自然災害とは違うんです!
だからこそ、私達が現場を見て問題点を具体的に指摘して、「問題は放射能だ!」ということを声を大にして言っていかねばならないと、あらためて思いました。
【玄海原発避難訓練②:車の除染はコロコロで!?】
伊万里市大坪地区の住民が太良町へ避難する途中に寄った杵藤クリーンセンターでの車の除染。
昨年、高圧洗浄した汚染水が飛び散ったり、タイヤの下に敷いたシートが破れて汚染水が地面に染み出たり、それはもう大変でした。
一応、汚染水が流れ出さないようにシートを用意してありますが、
「汚染水の処理が大変なので、今回は簡易除染という事で、水は使いません」
と言われ、バスも乗用車も「ふき取る」との説明でした。
「ふき取る道具は?」
「これです。」
「?、コロコロ?」
なんと、布でも、タオルでもなく、動物の毛を取る家庭用コロコロ!!
私たちの仲間が後で確認したところ「ひとふき300cpm」との事。
玄海原発避難訓練・除染風景より、じゅうたんコロコロ!でした。