「心配する住民に我々は迎合しない。住民は自ら勉強せよ」 田中俊一原子力規制委員長インタビュー (佐賀新聞2017年2月16日)
「5キロ圏外は被ばく問題生じない」 「『絶対安全』を信じたいという住民の心情に、われわれは迎合しない」 「『安心する』というのはそう簡単ではない。住民は自ら勉強せよ」 「“やらせ”などなかなか一回染みついた文化は直らないと思う」 etc・・・
これがわが国の規制当局トップの発言でしょうか? 佐賀県民はじめ周辺地域住民をあまりにバカにしていませんか?
●田中委員長に質問です●
①「ただちに影響はありません」ということ? 時間が経ってから放射線被ばくの影響が出て来るのでは?
②熊本地震のような大地震に原発事故が重なったら、建物は倒壊して屋内退避もできないのでは?
③福島では小児甲状腺がんと疑いの子どもが183人見つかっています。異常な割合です。原発事故の影響ではないと言い切れますか?
④原発から50キロの飯舘村では全村避難指示が出たのは事故から1か月以上経った後。住民は無用な被ばくを強いられました。この犠牲から学ばず、今後はSPEEDIも使わず、実測値で避難させようとしています。なぜ被ばく前提の避難計画をつくるのでしょうか?
⑤「安全を求める住民の心情」に対してとことん寄り添うのが規制当局の最大の務めではないのですか?「迎合」という言葉を撤回してください。
⑥九州電力は住民配布パンフレットで「水素爆発は起きないため建物は壊れません」と言い切っています。「想定外にしないこと」が3.11の教訓ではないのですか?多くの学者、専門家も水素爆発や水蒸気爆発の危険性を指摘しています。「壊れない」などと言い切ってしまうことこそ安全神話ではないのですか?
⑦佐賀県原子力安全専門部会の部会長の工藤和彦・九州大学名誉教授は2012年3月14日付朝日新聞で「経済やエネルギー確保の面での大きなリスクを避けるには、安全上のリスクを含むものでも使う必要がある。経済性とのかねあいも考えないといけない」と発言。こう公言する人が県専門部会長であることを許していいのでしょうか。命の安全と、経済やエネルギーを天秤にかけてはならないのではないでしょうか。
⑧住民にリスクを押し付けておいて「安心したいならもっと勉強しろ」というのは、筋違いでは?
⑨九州電力に染みついた“やらせ”文化は直らないと容認するのですね?「断固許さない」というべきところではないですか? 九電は今年4月から発足させる原子力発電本部長に、「やらせメール」事件時に証拠隠滅、資料破棄を指示した張本人、中村明常務執行役員が就任。このような九電を信用できますか?
⑩基準地震動の過小評価の問題では、元委員長代理の島崎邦彦さんの指摘をはじめ多くの学者や市民の指摘を無視し続けています。 原発に慎重な立場の科学者からどんなに危険性の指摘があっても、立ち止まって再調査や再点検もさせず、安倍政権の原発推進路線の下で再稼働に突き進む姿勢のどこが中立・独立ですか。