【無責任さ露呈!再稼働県民説明会、佐賀・伊万里2会場の報告】

【「私は伊万里が大好きです」(伊万里会場)
 核ゴミ10万年の管理、費用は誰が?九電「国が」、国「事業者が」。無責任さ露呈!(佐賀会場)
~再稼働県民説明会、佐賀・伊万里2会場の報告】
再稼働についての佐賀県主催県民説明会。3回目が27日に佐賀市で、4回目が28日に伊万里市で開かれました。
伊万里市での参加者は388人。唐津市192人、武雄市117人、佐賀市234人、と比べて、市民の関心の高さが際立っていました。
伊万里市は県に対して「市でも広報しましょうか」と尋ねたところ、「広報は県がやるから、市でやらなくていい」と言われたそうです。しかし、市民からも要望もあり、急遽回覧板を独自に住民にまわしたそうです。
首長の姿勢1つでこんなにも違うのです。
両会場とも、質問は「福島原発事故は終わっていないじゃないか」「再稼働ありきだ。おごりだ」「避難計画は実効性ない」「避難計画までいるような電気はいらない」「被ばくしたくありません」など、すべて「再稼働に疑問、反対」の立場からでした。
同じことの繰り返し、はぐらかしの国と九電の無責任さに対して、不信の念が市民から噴出しました
佐賀市では、高レベル放射性廃棄物は何年保管するつもりか?」という極めてシンプルな質問に対し九電は、「保管する計画はない」として年数は答えず「国の管理で」と答えました。一方、国は「10万年かかる」として、費用は「事業者が負担」と答えるなど責任をなすりつけあいました。
伊万里市では「自分は伊万里が大好きだ。住めなくなると思うと恐ろしい」「あるおばあちゃんも『だいでん反対しよるやろう。市長はもっと強く言わんのか』と言うぐらい、伊万里市民は塚部(市長)さんが言ってくださったことで、みんな勇気をもって「なんで再稼働さすっちゃろうね」と言っています。そこがなんでわかんないのでしょうか。」などの意見が相次ぎました。
最前列で傍聴していた塚部伊万里市長は、終了後原発の安全安心とエネルギー問題は同列で論じられない。国と九電は参加者の不安や疑問に答えていない。再稼働反対の立場は変わらない」とコメントしました。
「再稼働反対!」の世論が今まさにつくられていっていると感じました。
これだけの圧倒的な反対意見を前に、佐賀県知事は「県民の理解が得られた」などと言えるわけがありません。しかし、自民党が大多数を占める佐賀県議会などで推進側は再稼働を強引に進めようとするでしょう。
自治体や議会などに対する働きかけをさらに強めていきましょう。
参加、発言されたみなさん、おつかれさまでした。
また会場内に入れないにも拘らず、毎回、会場に駆けつけ、屋外でチラシ配布を続けてこられた福岡のみなさんも、おつかれさまでした。
◆当面の予定
説明会最終回は、3月3日(金)18時半~鳥栖市民文化会館。
事前学習会は3月2日(木)18時から鳥栖教会です。ぜひご参加ください。
3月6日(月)には玄海町長が瓜生九電社長と面会の上、「同意」すると言われています。緊急抗議に行ける方はぜひ駆けつけてください。
3月18日(土)佐賀県知事・全市町長ミーティング“GM21”
その前後に「再稼働差止仮処分決定」が下されます!
説明会対策、仮処分準備、パネル展準備、首長・議会対策、佐賀の裁判の会事務所は作業でてんてこまいな毎日です。
どうぞどうぞ、応援に来てください!!

◆以下、佐賀会場、伊万里会場のいくつかのやりとりを紹介します。
****************************************** *************************
●核ごみ10万年の管理。費用は誰が払うのか?九電「国家管理で」。国「事業者の負担」(佐賀会場)
市民)高レベル放射性廃棄物は何年保管するつもりか?
九電)保管する計画はございません。まずは六ケ所再処理工場へ。今、国が処分地を検討している。
市民)何年保管するのかと聞いている。
九電)何年保管するかについては、結果的にそれが安全上問題ないまで...。
市民)何年かかるかわからないと。その費用はいつ誰が徴収するのか?
九電)私達が負担します。
市民)福島では税金じゃないですか。九電が払うんですか?
九電)国家レベルで全体を管理して...。
市民)では、国に聞きます。
エネ庁)地層処分する方向で、最終処分地を検討している。
市民)何年かかるかと聞いている。
エネ庁)10万年地層に埋める。
市民)その費用はいつ誰が払うのか?
エネ庁)最終的に事業者の負担電気料金をどのように負担するかは事業者で。
市民)いくらと見積もっていますか?
エネ庁)バックエンドは3兆円。
市民)10万年ですよ。たった3兆円ですか。
エネ庁)国として原子力にかかわるコストの評価をやっていく。
市民)30年前にトイレのないマンションと言われたが、いまだにかわらないということですね。
エネ庁)大変時間がかかるプロセスです。
●要援護者の避難は無理(佐賀会場)
市民)重い障がいをもった方のヘルパーをしている。即座の避難は絶対無理と思う。私にも責任が発生する。専用の車いすが必要な方もいる。クッションがないとだめな場合もある。現実から考えると、避難はまったく無理です。防災パンフが配られて「必要なら個別避難計画をつくるので申し出ろ」とあったが、今どのくらいの申し出があるのか?県がそこにいないのがおかしいが、答えて。住民を守ろうと思えば、すべての人にヒアリングすべき。九電の責任においてもすべきだ。
何よりも県民の安全が大事だというなら、県民の安全が確保できるまで再稼働できないですよね?
内閣府)無理に避難すると健康リスクが高まる方は屋内退避していただく。
市民)もし一人でいたらどうするんですか。細かく考えてからでしょう。
内閣)支援者の方も特定することもやってきていく。そうでない時も、地元の消防組織の方が支援していくと位置付けている。
市民)始まっているんですか?何人にやっているのか?
佐賀県)県危機管理監です。具体的な数字はもちあわせていない。市町がやっている。HPに出したり、個別に答える。
市民)県としてはつくらないということか。
県)基本的には市町ですので、市町から話があったら具体的に支援を。
九電)自治体の避難を支援するという形で福祉車両を21台配備する予定。社員がお手伝いをするが、素人なので。訓練を通じて...
●「私は伊万里が大好きです」住民の声が相次いだ伊万里会場

市民)福島事故が起きたのに、おごりじゃないか。結局、泣くのは誰か。
規制)気持ちよくわかります。常に安全については向上したいという気持ちだ。

市民 )全部リスクの話だったが、これだけリスクのあることをどうして進めるのか?
内閣)リスクはあります。しかし、他方でエネルギーの安定供給...
市民)私は伊万里が大好きです。伊万里に住めなくなると思うと恐ろしい。再稼働やめてください!

市民)九電は消費者に、被ばくを我慢してくれということで来られたのか?放射線を止められなかったのが福島事故ではなかったか?放射能被ばくをしたくありません。いまだに10万弱の人が帰られない。まずは福島の原因究明と収束を。再稼働どころではないはず。フレコンバックを見に行ったか?あれをどう思ったか?
九電)福島をよく見ており、同じ気持ちであります。福島のような事故は決しておこしてはならないという固い決意で取り組み、それでも万が一の場合に備えて、避難は国、自治体にやっていただいている。当社は安全運転と、万が一の時の事故収束に頑張る。

市民)孫が3人いる。あるおばあちゃんも「だいでん反対しよるやろう。市長はもっと強く言わんのか」と言うぐらい、伊万里市民は塚部(市長)さんが言ってくださったことで、みんな勇気をもって「なんで再稼働さすっちゃろうね」と言っています。そこがなんでわかんないのでしょうか。
武雄、佐賀、伊万里の会場では開会と閉会の挨拶に副島副知事が立ち、「何よりも知っていただくことが大事。何よりも県民の安全が大切と考えている」との空虚な挨拶を繰り返しました。