元東芝で原子炉設計技術者の後藤政志さんが20日、佐賀に来られ、裁判の会事務所で「原発の安全とは何か」とお話を聴かせていただきました。
後藤さんは、技術者として原発設計に携わった立場から、水素爆発や水蒸気爆発、航空機衝突などの問題点を「回転ドア」や「ブレーキランプ」などの話を織り交ぜながら具体的に指摘しました。現場を知らず、机上の計算だけで、「命の安全」ということを切り離している電力会社や国の姿勢を痛烈に批判。
そして、「不確かな事故対策をいくらしても大事故を防ぐことはできない。事故の確率を減少させたとしても、起こる可能性は常にあり、事故の規模が小さくなるわけでもない。安全とは許容できないリスクが存在しないことである。原発は個人だけでなく社会的にもその影響・被害が計り知れない危険な存在。失敗の許されない技術は存在そのものが許されない。命の決定権を誰が持つか?事業者ではない。住民である。ロシアンルーレットはやめよう!」と訴えました。
2011年6月前後の「玄海再稼働」は同年7月7日の「ストレステスト実施発表」と「古川知事・九電やらせメール事件発覚」がきっかけとなり、寸前で止めることができました。
そして、その後、全国で稼働中の原発が次々と止まり、「原発稼働ゼロ」にまで一旦追い込むことができたのです。
ストレステスト実施には後藤さん、井野博満さんも尽力されていたし、古川氏が「やらせメール」までせざるをえなくなったのは市民が各地で声をあげたからです。声をあげ、行動したすべての人の力での一歩前進でした。
これからも一進一退はありますが、市民も専門家もそれぞれの立場でできることをやっていけば、必ず「原発ゼロ」は実現できると思います。
そのことを強く再確認できた後藤さんのお話しでした。
私達もスッキリしましたが、後藤さんもスッキリしたと(笑)。
後藤さんは「佐賀県原子力安全専門部会」委員候補として、佐賀の脱原発9団体で推薦したお一人です。県は市民推薦の専門家を一人も採用しませんでしたが、世論に押されて、「意見聴取」だけは行いました。
◆「専門家の皆さまからのご意見について」
http://www.pref.saga.lg.jp/kiji00354096/index.html
後藤さんの意見書も近日上記ページに公開されるはずですので、これらをフルに活用していきたいと思います。
そして、佐賀県に「HPに公開しました」だけで終わらせず、徹底した県民的議論の場を求めるなどして、市民に寄り添った専門家のみなさんとも連携をさらに強め、再稼働をじりじりと遅らせ、そして最後には止めましょう!
※後藤さんHP
「後藤政志が語る、福島原発事故と安全性」
http://gotomasashi.blogspot.jp/