【原子炉を即刻とめよ!玄海3号機蒸気漏れ事故:九電・知事・町長へ抗議】

【原子炉の即刻停止、徹底した原因究明、再稼働の中止を!九電への緊急抗議、佐賀県知事・玄海町長への要請行動】

 

玄海原発3号機蒸気漏れ事故について、4月2日、九州電力社長への抗議、玄海町長と佐賀県知事への要請を1日キャラバンで行ってきました。

 

<抗議・要請の報告>

九州電力に対しては、原子炉をただちに止めること、徹底した原因究明と情報公開、再稼働の中止を求めました。

九電本店担当者は「今の状況では原子炉を止めなくても点検作業ができる」と豪語しながら、事故の詳しい状況について何を聞いても「今はわからない」と答えました。

私たちは「二次系だけでなく一次系にも同様の問題があるのではないか。分かってないからこそ、原子炉を止めて、点検をすべきだ」と糺し、早急に交渉の場を設定することを求めました。

佐賀県と玄海町に対しては、九電に原因究明と情報公開を求めること、住民への情報連絡の遅れについて経緯を明きらかにし避難計画をみなすこと、再稼働同意の撤回を求めました。

県担当者は、九電に対して厳しく原因追及や情報提供を迫る姿勢もなく、また、県自身から県民への情報提供の遅れを反省することもなく、いつも変わらぬ他人事のような姿勢でした。

玄海町は若い担当者がただただ要請書を受け取るだけでした。

 

 

 <原子炉を即刻止めよ>

同日は九電から規制庁へ報告があり、現場写真が公開されましたが、錆びだらけの中に13ミリもの大きな穴ができた写真には本当に驚きました。

瓜生社長の「何があるか分からないと言っていたのが現実になってしまって残念だ」という笑いながらの発言は酷すぎます。

保温材をはがしてみたら、穴が開いていたということですが、「2006年に配管の一部については保温材をはがして検査したが、今回問題となった配管ではない。それ以降は『はがして』の検査はやっておらず、2011年2月の検査は外観だけだった」そうです(佐賀新聞記事+電話確認)。一次系を含む他の配管はどうなのでしょうか。

 

2007年、玄海2号機では1次冷却材管に接続されている「余剰抽出系配管」にひび割れが見つかり、一次冷却材喪失事故につながりかねませんでした。私たちの裁判ではこの問題を取り上げ、配管損傷から重大事故に至る危険性を主張してきました。配管の点検は10年で25%、4分の1しかしていない、つまり、40年の寿命が尽きる頃にやっと点検が一巡するということですが、九電は審理の中で「配管は膨大な数がある。全部を点検できるわけがない」と開き直りました。玄海原発のみならず、全国の他の原発の配管でも、同じ問題が起きる可能性があるのではないでしょうか。

原子炉を即刻止めること、原因究明と情報公開、再稼働自体の中止を求めて、九州電力、国、再稼働に同意した佐賀県などへの追及を強めていきたいと思います。

 

住民への情報伝達も大きな問題です。今回、九電から自治体への連絡遅れました。佐賀県知事は九電に「苦言を呈した」ということですが、自治体に伝わってから住民への伝達も時間がかかりました。避難計画の一からの見直しも必要です。30キロ圏自治体に同意権の問題とあわせて要請にいきたいと思っています。

もうひとつ、こんな時に地元選出の国会議員は何をしているのでしょうか。まったく動きが見えません。佐賀県選出議員の事務所にまずは電話もしたところですが、与野党問わず議員本人、地元事務所に働きかけをしていかねばと思っています。

 

全国のみなさんから知恵や情報、激励をいただいています。ありがとうございます。

心配していた再稼働直後の事故が起きてしまった今、稼働を食い止めるための踏ん張りどころです!

(写真上:佐賀県庁、写真下左:九州電力本店、写真下右:玄海町役場)


 抗議文 

 

玄海原発3号機 蒸気漏れ事故

原子炉の即刻停止と徹底した原因究明を!

“安全神話”の九電に運転の資格なし 再稼働中止を求める

201842

()九州電力 代表取締役社長 瓜生道明 様

 

 

 33019時頃、九州電力玄海原発3号機で蒸気漏れ事故が発生した。

1週間前の同23日、九電は住民の不安と反対の声を無視して、再稼働を強行したばかりだった。九電は25日に開始した発電と送電を「念のため」と称して停止したが、原子炉は止めていない。二次系配管からの「微小な蒸気漏れ」であり「放射能の影響はない」と言うが、損傷はどのようなものだったのか。九電は「全社を挙げて」安全対策を進めてきたと宣伝してきたが、なぜ見つからなかったか。原子炉を止め、徹底的に原因究明をし、住民に公開すべきである。

 

原発の配管の点検は10年で25%、4分の1しかしていない、つまり、40年の寿命が尽きる頃にやっと点検が一巡する。九電は私たちの裁判の審理において「配管は膨大な数がある。全部を点検できるわけがない」との発言もしたが、異常がどこで発生してもおかしくないような緩い点検体制である。いつまた大きな事故となり、放射能放出という事態になるのか、不安は増大するばかりだ。

今回の事故発生で佐賀県に連絡があったのは2時間後の21時、住民に伝わったのは多くの人が寝静まった23時半過ぎ、発生から4時間半後のことだった。短時間で事態がどんどん悪化していたら、多くの住民が被ばくを強いられるようなことになっていたかもしれない。情報連絡体制の悪さは、これまで何度も指摘されてきたが、なぜ改善されないのか。瓜生社長と佐賀県知事との「ウソをつかない」との約束を、またも破ったも同然である。私たちの命と暮らしの安全がなぜこれほどまでに軽視されるのか。

これまでに、多くの専門家が「安全性」について警告を発し、住民もあらゆる場で不安の声をあげてきた。原発30キロの4市と3議会は「再稼働反対」を何度も言い続けている。これらをすべて無視しての、「事故大前提」の再稼働である。323日、「原子炉起動」の日、多くの住民が発電所前や九電本店などに抗議文を持って駆けつけたが、九電は受け取りを拒否し、市民の前に出てもこなかった。住民と真摯に向き合わない傲慢な九電に私達の命と安全をゆだねるわけにはいかない。

 

再稼働強行直後に今回の蒸気漏れ事故を引き起こしたことに対して強く抗議するとともに、以下の要請・質問をする。2週間以内の回答を求める。

 

【 要請事項 】

(1)原子炉をただちに止めること

(2)徹底した原因究明を行い、住民に対して事故の全貌を明らかにすること

  損傷箇所の映像や写真の公開をすること

(3)事故時に住民からの問い合わせに24時間対応できる体制をつくること

(4)玄海原発34号機の再稼働を中止すること

 

【 質問事項 】

(1)3号機が2010129日の「放射性ヨウ素漏れ事故」で止まった後の201113月の検査で、今回蒸気漏れのあった「脱気器」の本体を点検したというが、どのような点検をしたのか。保温材ははがしたのか。

・その時に見落としていたのか、それとも7年の間に異常が発生したということか。それとも、分かっていたが次回定期検査時での交換を予定していたのか。

・起動までの7年の間に再点検をしなかったのか。

・保温材をはがしてみたら1センチの穴が見つかったというが、減肉によるものなのか、腐食によるものなのか、原因は何か。

・発見時、現場はどのような状況だったのか。

・事故時の温度や圧力はいくらだったのか。蒸気はどれぐらい漏れたのか。

・空気抜き管はいくつあるのか。他には穴が空いていなかったのか。

・元東芝・原子炉格納容器設計者の後藤政志さんは「今回二次系だったのは単なる偶然で、安全上重要な設備で起こってもおかしくない」と指摘している(佐賀新聞201842日)。同様の事故が発生する可能性がある部位は他にどこがあるのか。一次系でも問題箇所がある可能性はないのか。

・ホームページに詳しい情報を掲載しないのか。

 

(2)原因究明の手順と期間はどのようなものか。

(3)原子炉をなぜ止めないのか。臨界が続き、熱が出ているのをどのように抑えるのか。危険な状態にならないのか。

(4)原発周辺の空間放射線量と土壌放射能濃度は3号機原子炉起動の前後でどう変化したのか。モニタリングのデータを具体的に示されたい。

(5)事故の発生や経過について、自治体と住民と報道機関に対して何時何分にどのような手段で知らせたのか。佐賀県への連絡が事故発生から2時間後、国と玄海町への連絡は2時間40分後だったが、なぜそんなに時間がかかったのか。誰がどう判断・指示をしたのか。

(6)当日夜、詳しい状況を知ろうと発電所に電話したところ、守衛所の警備会社員にしかつながらず、「営業日(3日後)の営業時間内に電話をかけ直してほしい」と言われた。また、「今聞きたいが、どこに電話をかければいいのか」と尋ねても「それは言えません。私たちには何もできません」とまで言われた。「事故は起きる」ことが前提となった再稼働であり、事故は営業時間外にも起きることが立証されたが、今回のことから学習して、緊急時の住民からの問い合わせに対して、いつでも対応できる体制をつくるつもりはあるか。

 

玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会/プルサーマルと佐賀県の100年を考える会/玄海原発反対からつ事務所/原発を考える鳥栖の会/今を生きる会/原発知っちょる会/風ふくおかの会/戦争と原発のない社会をめざす福岡市民の会/たんぽぽとりで/東区から玄海原発の廃炉を考える会/福岡で福島を考える会/あしたの命を考える会

 

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2018年4月2日 九電宛 蒸気漏れ抗議文
玄海原発3号機 蒸気漏れ事故
原子炉の即刻停止と徹底した原因究明を!
“安全神話”の九電に運転の資格なし 再稼働中止を求める
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2018年4月2日 佐賀県知事宛 蒸気漏れ要請
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2018年4月2日 玄海町長宛 蒸気漏れ要請
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