4月13日、佐賀県による「玄海原発3号機蒸気漏れ事故に関する専門家の意見聴取会」が開かれました。
会場となったホテル・マリターレ創生前では開会前にアピール行動を行いました。
招集された専門家は、佐賀県が知事同意のアリバイづくりのためにつくり、その後休眠となっていた「原子力安全専門部会」の委員ら7人。市民が推薦してきた原発に慎重・反対の立場の専門家は今回も排除されました。
九州電力からは山元取締役以下10数人が出席しました。
また、資料は市民との交渉時には紙1枚も出さないのに、こういう時は数十ページにわたるカラー資料を用意していました。
<報道>
◆玄海3号機蒸気漏れトラブルで意見聴取
サガテレビ 2018/04/13 (金) 12:04
http://www.sagatv.co.jp/nx/news/detail.php?id=2586
◆3号機蒸気漏れ 県第三者委専門部会で九電、改善策言及せず
市民団体「議論不十分」 /毎日新聞2018年4月14日 佐賀版
https://mainichi.jp/articles/20180414/ddl/k41/040/289000c
◆原発聴取会 玄海3号機の雨水対策に質問相次ぐ
九電、屋根設置を検討 /佐賀新聞
http://www.saga-s.co.jp/articles/-/204845
◆原発聴取会 九電「甘く考えていた」 おもなやりとり /佐賀新聞
http://www.saga-s.co.jp/articles/-/204848
サビや穴の開いた経過、今後の対策については、初めて公表されるものもあり、私達にはさらなる疑問が出てきました。
しかし、専門家からは細かな指摘はいろいろあったものの、「サビは見つけたら早く取り除くことが大事」「教育をしっかりやってほしい」などの当たり前の意見や、「調整運転の段階で見つけたということは、多層の安全防護システムは機能しているということ」など、九電を評価する意見まで出ました。
九電は「ここまで腐食するという認識はなく、担当者でなんとなくで終わっていたのを改めたい」などと応じました。
配管の穴の内面がどうなっているのか、なぜ原子炉を止めて二次系を含めて総点検しないのかなど、市民がこれまで不安・疑問に思っていたことについての質疑はほとんどなく、九電の判断の誤りを厳しく糺すこともなく、事故を「警告」と受け止めずに「たいしたことない」と矮小化し、発電再開にお墨付きを与えるだけの場でした。
県関係者はただ同席していただけで発言は何もありませんでした。終了後、落合県民環境部長は「九州電力から安全策の報告が来るだろう。その報告がない限りは次のステップはない」と言いましたが、記者からの「九電報告に対して、県として注文をつけたりするのか」との質問に対して、部長は「報告を見るだけ」と答えました。県民を守る立場から厳しくモノを言っていく姿勢がまったくありませんでした。
国、県は事業者任せ、事業者九電は不安を訴える住民に対してロクな説明もせずに、根本的な対策も打たない。事故が起きたら誰に伝えれば不安を取り除いてくれるのか?すべては無視・軽視されるのだと思わざるを得ません。
今週の政府交渉、九電交渉、県意見聴取会などを踏まえて、再度、佐賀県や佐賀県議会、各級議員への要請・働きかけに取り組んでいきましょう!
※追記:16日に配布資料がすべて佐賀県HPにアップされました。
http://www.pref.saga.lg.jp/kiji00361254/index.html