5月26日、提訴8周年年次活動報告会を無事終えることができました。
前半は、昨年4月の知事による再稼働同意とその直後の仮処分不当決定以降のあわただしい1年の活動を振り返りつつ、活動へのご支援・ご協力をお願いしました。
後半は、冠木克彦弁護団長から新たな争点となった火山問題を紹介しながら、最大の争点である耐震性の問題について、特に地震の「ばらつき」をめぐる九電や国との論争のポイントを解説し、勝利への展望をお話しいただきました。
最後に、リレートークで各地の仲間から報告をいただき、連帯を確認しあいました。
私たちの会は、全国のみなさまの支えで今日まで裁判運動を続けてくることができました。みなさまに心から深く感謝申し上げるとともに、引き続きのご支援をよろしくお願いいたします。
すべての原発をなくすまで、一人一人が自分にできることを役割分担して、みなさんとともに頑張ります。
“覚悟”のいる電気はいらない
本日は本会の提訴8周年年次報告会にお集まりいただきありがとうございます。私たちは全国のみなさまの支えで、今日まで裁判運動を続けてくることができました。 心から深く感謝申し上げます。
当会は、2006年2月主婦たちが、玄海原発3号機プルサーマルを止めるために立ち上がった延長線上の裁判運動です。10年2月に会を発足させ、同8月9日MOX使用差止裁判提訴が始まりでした。
ただ「くらしを守るため」と自分たちにできることをやってきました。玄海原発を止めたくて、4つの裁判で8年半、プルサーマル運動から12年半が経ちました。私たちの裁判は九電と国を相手に、限られた情報の中で具体的に危険性を指摘して、司法の場で「安心できるくらし」を取り戻そうと闘っています。
2011年3月11日は、第2回の公判の日でした。東京電力福島第一原発事故は、想像を遥かに超えるものでした。取り返しのつかない原発事故は、二度と繰り返してはなりません。震災と東京電力の事故により亡くなられた方、今もなお苦難の日々を強いられている数万人とも言われる避難されている人々に、謹んでお悔やみとお見舞いを申しあげます。
日頃の広報活動として玄海町をはじめ各地をたずね、情報共有をしています。私たちの情報を知り、初めて聞く事実に驚く人たちに出会い、伝えることの大切さを実感しています。原発再稼働に理解・納得していない住民がたくさんいることを見てきました。
私たちは「福島第一原発事故を学び、原発はやめてください」と、専門家からの根拠も提示して国や九州電力、玄海町長、佐賀県知事や佐賀県議会、ほか自治体などに対してこれまで幾度となく要請してきました。
しかし、昨年4月24日、佐賀県知事は「県議会決議を極めて重く受け止める」「住民の理解と安全性の確認が得られたらやむを得ない」と、不安を抱えた住民の気持ちを無視して再稼働に同意しました。
今、玄海3・4号機再稼働の最中にあります。3号機は再稼働直後に2次系蒸気漏れ事故、4号機は1次系ポンプ不具合事故と次々と事故を起こしました。九電は、“未来からの警告“と真摯に受け止め、再稼働などやめるべきです。しかし、九電は住民への納得のいく説明もないまま3号機の発電を再開し、4号機の原因は未だ明らかされていません。7年半も止まっていた玄海3号機が営業運転に入り、住民は実験台になったのです。玄海原発で事故が起きれば、放射能は偏西風に乗って30㌔で止まってはくれません。
一企業のために、住民が“覚悟のくらし”をなぜ送らねばならないのでしょうか。こんな理不尽なことがまかり通る原発を許してはなりません。田中前規制委員長は「審査はするが、原発は安全とは言わない」と開き直り、事故大前提の発言を繰り返してきました。不条理極まりない原発政策です。
「全ての生き物と、未来の社会に核のゴミを押しつける原発」「犠牲ありきの原発」をまだ進めようとしている行為は犯罪です。その犯罪をやめさせるためには、私たちの行動が必要です。九州電力と国に対して「原発はもうやめてください」と、住民を守る立場の佐賀県知事と玄海町長には「原発に反対を」と、これまで以上に要請行動をしていきたいと思います。
そして、勝利へ向けてこれからも裁判闘争と反原発運動を会一同、皆さんと共に頑張ります。
よろしくお願いします。
2018年5月26日
玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会
代表 石丸初美