7月26日に山口祥義・佐賀県知事に提出した乾式貯蔵施設問題と池辺九電社長発言に関する要請質問書への回答が8月16日付で送付されてきました。
私たちが具体的な内容を問うているのに対して、「九電からは具体的な話はあってない」として、「県民の安全を何よりも大切に、具体的な話があればしっかりと伺いたい」と3度も繰り返すなど、質問をはぐらかすような回答ばかりでした。
池辺九電社長の無責任発言に対しては「報道内容しか承知していない」「社長に撤回を求める考えはない」と回答、社長の無責任発言を容認しました。
「九電の言いなり」「国に丸投げ」の知事の姿勢では県民の安全は守れません。
私たちは、放射能の後始末に何ら責任を持とうとせず、核のごみを増やし続ける九電と国、それを容認する知事に対して、玄海原発を即刻停止するよう、引き続き要請・追及を続けていきたいと思います。
以下、回答に対するコメントを記します。
(1)質問1:知事の「同意するつもりはない」発言について
知事が発言した「同意するつもりはない」施設の対象に、「乾式貯蔵施設」が含まれるかという単純明快な質問に対して、知事発言を再掲してなぞるだけで、質問に答えていない。そして「具体的な話があれば、しっかり伺いたい」と、現時点で自ら主体的に問いただす姿勢を放棄している。
(2)質問2・3:使用済み燃料の処分についての九電との約束・協議について
使用済み燃料の処分について、「県が九電と約束したものはない」としたうえで、「申請書に『再処理を原則とする』として許可されている」という一般論だけを回答。放射能という危険物の取扱の処分について、具体的に何も取り決めをせずに、稼働を許してきたことは、あまりにも無責任である。
また、3年前には県と九電が乾式貯蔵施設について非公開で協議をしていた。県は「現在、具体的な話はあってない」というが、現在も何らかの協議がされているはずだ。その内容を県民に明らかにすべきだ。
(3)質問4・5:使用済み燃料プールと他原発のプルトニウム問題について
使用済みMOX燃料のプールでの貯蔵期間や搬出予定について質しているのに、具体的には何も回答せず。「国から許可を受けている」「国が進める」として、県民の命の安全を国にすべてを委ねる姿勢をあらわにした。
他原発のプルトニウムを玄海で使う問題については、国が電力会社に検討を指示したのはもはや明らかであるのに、「九電からは、検討を求められていない、と聞いている」とのらりくらりと回答。県民からの不安の声を受けて、九電や国に対してなぜものを言わないのか。
(4)質問6:発電所に隣接する12ha敷地について
県議会で九電が「資材置き場であり、それ以外の目的について使うことは一切考えてございません」と答弁したことを明記する回答だった。免震重要棟建設撤回、コンプライアンスカード不携帯問題など、これまで九電は約束違反をたびたび起こしてきた。ウソをつかせてはならない。
(5)質問7:リラッキングの危険性について
リラッキングの危険性について聞いているのに、「国がしっかり審査している」というだけ。福島第一原発の使用済み燃料プールについても、被害一般ではなく、リラッキングによる影響を具体的に聞いているのに、その点の言及はない。
(6)要請:池辺九電社長発言について
「面談時にそれらの発言はなかった」「報道内容しか承知していない」として「社長に撤回を求める考えはない」と回答した。社長の無責任発言を容認したということは、知事も同様に無責任であるということだ。
※要請行動時の報告→ https://saga-genkai.jimdo.com/2018/07/26/a/
知事からの回答について、28日、記者会見を行いました。
「九電から具体的な話があれば、しっかりと伺いたい」と繰り返すだけで、中身のない知事の回答を批判しました。
新聞各紙がそのことを記事にしてくれました。