【同意権を!唐津市長要請行動】

9月6日、玄海原発30キロ圏最大の人口を抱える唐津市に対して、地元同意権を求める要請を行いました。
東海第二原発周辺の茨城県6市村は実質的事前了解権を獲得しましたが、玄海周辺においても住民の安全安心を確保するためには安全協定上の事前了解の権限など立地自治体と同等の権限が絶対に必要です。
しかし、同意権を獲得しようとする主体的な姿勢があまり感じられない唐津市の対応でした。
住民から要請や、議会請願などをどんどん行っていくしかありません。
玄海原発周辺30キロ圏の他の自治体と議会に対しても引き続き働きかけていきたいと思います。

 

 要請書  

 

玄海原発安全協定に事前了解の権限など 

立地自治体と同等の権限を求めます 

201896 

唐津市長 峰達郎 様 

玄海原発反対からつ事務所 

玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会 

プルサーマルと佐賀県の100年を考える会 

 

【要請事項】 

玄海原発に関する九州電力との安全協定において、「事前了解の権限」など立地自治体と同等の権限を求めてください。 

【要請の趣旨】

 東京電力福島第一原発事故は大量の放射能を放出し、立地自治体をはるかに超えて甚大な被害を住民にもたらしました。事故から7年半経った今も数万人もの人たちが故郷へ帰れないままです。福島の帰還困難区域は原発30キロ圏を超えて広がり、玄海原発30キロ圏に位置する唐津市はすっぽり入ってしまいます。また、“復興”の掛け声のもと、賠償は次々と打ち切られ、放射能で汚染された地域への帰還政策が進められています。様々な健康被害が報告されても因果関係は分からないとされ、事故による被害の全貌が今なお明らかになっていません。

 

こうした中、九州電力は玄海原発34号機を再稼働しました。「絶対に事故は起きない」とは言えない原発です。福島の現実を見るならば、玄海原発で同じような事故が起きれば、放射能は偏西風に乗って、九州はおろか西日本全域に拡散し、壊滅的な被害をもたらすことは明らかです。

 原発30キロ圏(UPZ)自治体に避難計画作成が義務付けられましたが、実効性ある計画となっていません。「事故が起きたらもう逃げられん」という声を多く聞きます。とりわけ離島住民や要援護者など社会的に弱い立場の方たちの命は守られるのでしょうか。

 昨年2月に本市で開催された住民説明会では、住民からあがった声はすべて再稼働に不安と反対の声でした。こうした住民の声を置き去りにして、玄海町と佐賀県の同意だけで再稼働が強行されました。私たち住民に何の発言権もなく、一方的に犠牲を受けるだけの現状は理不尽極まりありません。

 本市は2006年に佐賀県との間に「安全協定書に係る確認書」を結び、3.11後の2012年には九州電力との間に「重要事象について遅滞なく説明を受け、意見を述べることができる」とする安全協定書を締結しました。

 しかし、玄海34号機が営業運転を再開した今、危険性はそれだけ増えました。また、使用済み核燃料プールは今後5年から7年で満杯になると言われる中、リラッキングや乾式貯蔵施設建設、2号機の運転延長問題、4号機でのプルサーマル実施など、問題が山積しています。これらに対して、「意見を述べる」だけにとどまらず、事前了解の権限がなければ市民の命を守ることはできません。

 

 一方、日本原子力発電(株)は今年329日、東海第二原発の再稼働・40年超えの運転延長に際し、立地自治体の東海村に加え、水戸市などUPZ5市にも「実質的な事前了解権」を認めるとする新たな安全協定を結びました。UPZ自治体に事前了解の権限が認められたのは、初めてのことです。

  PAZ圏に立地自治体よりも多い4300人の住民を抱え、市内全域がUPZ圏となる本市においても、13万市民の安全安心を守るために、立地自治体と同等の安全協定を結び、稼働、運転延長、施設変更等に対する事前了解の権限を得る必要があります。

 

今、日本列島は集中豪雨、台風、酷暑、地震、火山など、これまでの常識を超えた自然災害が相次いで発生しています。原発事故との複合災害となれば、私たちは身動きできず、とりかえしのつかないことになるのは必至です。

 以上の理由から、玄海原発に関する九州電力との安全協定において、住民の命の安全を守る責任がある市長は先頭に立って、「事前了解の権限」など立地自治体と同等の権限を求めるよう要請いたします。

 本要請に対して、どのように対応されるのか、2週間以内の文書回答を求めます。

 

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2018年9月6日 唐津市長宛 事前了解権 要請書
【要請書】玄海原発安全協定に事前了解の権限など立地自治体と同等の権限を求めます
20180906事前了解唐津市長要請●.pdf
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◆報道