2009年12月2日、玄海原発3号機で日本初のプルサーマルが開始されました。
この日を忘れさせまいと、今年もこの日に玄海町で11回目となる“12.2”行動を起こしました。
玄海町をはじめ佐賀・福岡の各地から22人の仲間が参加しました。
まず玄海町長に対して「貴職に住民と未来の人々の命とくらしまで奪う権利はない」として、玄海原発の停止を九電に求めるよう要求しました。
町民のAさんが「原発は日常的にトリチウムを放出している。原発の本当の危険を町民に伝えるべきだ。そして九電にものを言ってほしい」と訴えたのに続き、
8人の仲間が不安や反原発の思いを訴えましたが、
対応した防災安全課長は「国策なので容認している」と発言。また、避難訓練の感想を聞いても、中身のあること何も答えられず、私達は唖然とさせられました。
要請後は班に分かれてチラシ約800枚を1軒1軒ポスティング。
日差しが暖かく、穏やかな1日でした。原発さえなければ、こんなにいい所はないのに…といつも思います。
全体集会では感想をみんなで共有しながら、原発なくすまで、行動を続けていくことを確認しました。
※玄海原発に対する権限を持っている佐賀県知事と九州電力社長宛にも同じ趣旨の要請書を同日中にFAXで送りました。
12.2反プルサーマル行動の日 要請書
貴職に住民と未来の人々の命とくらしまで奪う権利はない
2020年12月2日
玄海町長 脇山伸太郎 様
佐賀県知事 山口 祥義 様
九州電力(株)代表取締役社長 池辺 和弘 様
私たちは、2009年12月2日、玄海原発3号機で日本初のプルサーマルが開始されて以来、住民の理解は得られていないと毎年この日に訴え続けてきた。今年11月、玄海3号機でとうとう猛毒の使用済みMOX燃料が出てきてしまった。行き場も決まっておらず、これから100年とも300年とも言われる年月をかけて玄海原発のプールで冷却し続けなければならない。未来の世代に対して無責任極まりない。
東京電力福島原発事故からまもなく10年が経とうとしている。今なお避難を余儀なくさせられている人は約4万人もいる。政府は年間被ばく限度を20㍉?/年として福島の住民に帰還を強要している。これは放射線管理区域5㍉?/年の約4倍、公衆被ばく線量限度1㍉?/年の約20倍である。被害者切り捨ての政府の酷さに怒りを禁じ得ない。
これまで国と電力会社は、「5重の壁」で放射能は漏れない、多重防護によって絶対安全だと言って原発を進めてきた。「止める、冷やす、閉じ込める」と言ってきた。それに追随してきたのが立地自治体である。しかし、現実の原発事故は想像を遙かに超えていた。いったん起これば、取り返しのつかない甚大な被害は長期にわたりくらしを奪う。「5重の壁」はあっけなく爆発。原子炉で作られた膨大な放射性物質は閉じ込められなかったではないか。吹き飛んだコンクリートや鉄骨の塊に、人はもちろん近寄れず、溶け落ちた核燃料探索のロボットは壊れて失敗を重ね、未だに回収の目途さえ立っていない。
溶け落ちた核燃料を冷やし続けてできた汚染水は、10年間敷地内に膨大な量が溜まり続けている。この放射能汚染水の海洋放出に、漁業者や住民たちは強く反対の声をあげている。にもかかわらず、政府は聞く耳持たず、海洋放出処分の方向で議論を進めている。全ての海のいきもたちを被ばくさせる実害である。人々はその命を頂いて生きているのだ。
このような悲惨を極める原発事故を見て、世界は脅威と受け止め、脱原発に大きく舵を切っている国もある。しかし、わが国は国策として再稼働を推し進めている。更田規制委員長は、衆議院予算委員会(2018年1月29日)で原発の安全性について「新規制基準への合致は100%の(原発の)安全、リスクゼロを保証するものではない」と明確に答えた。原発事故は「仕方がない」では済まされない。福島で住民を苦しめた責任は国、電力会社、それを容認した自治体にある。再稼働した玄海原発で事故が起きれば、住民が犠牲になることは避けられない。
貴職に住民と未来の人々の命とくらしまで奪う権利はない。以下、この日に強く要求する。
一.住民のくらしを守る立場だからこそ、国と電力会社に対して、今すぐ玄海原発3・4号機を止めるよう求めること。
あしたの命を考える会/今を生きる会/風ふくおかの会/玄海原発反対からつ事務所
原発知っちょる会/原発を考える鳥栖の会/さよなら玄海原発の会・久留米
戦争と原発のない社会をめざす福岡市民の会/脱原発電力労働者九州連絡会議/たんぽぽとりで
怒髪天を衝く会/東区から玄海原発の廃炉を考える会/福岡で福島を考える会
プルサーマルと佐賀県の100年を考える会/玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会