2009年12月2日は、玄海3号機で日本最初のプルサーマル発電が始められた日です。
不安を抱える私たちは決して理解も納得もしていないと、毎年12月2日、この日に玄海町での行動に取り組んできました。今年は13回目でした。
早朝雨が少し降っていて空気も冷たく「今日はどうなるかなぁ」と心配していましたが、皆さんが集まってくる頃には、本当にきれいに晴れ渡りポスティング日和になりました。
・10時~玄海町長への要請質問書への回答
1ヶ月前に玄海町長へ要請質問書を提出し、回答日を12月2日に依頼し、19人の仲間で受け取りました。
玄海町職員が読み上げる形で回答を受け、その後回答書は印刷をして貰い参加者全員が手に出来ました。(最初から増し刷りしてくれ配布してくれればいいのに)
国、県が...という回答が多く、玄海町独自で住民のために行動はしないのか、それを聞いているのに、と思うものが多かったです。
今後回答を精査し、住民のため、九電に県に国に問いただすものは問いただしていきたいと思っています。
・11時半~玄海町ポスティング
車で10チームに分かれ、唐津のメンバーに地図を用意いただき、チラシ3種類をポスティングをしました。
10チームで合計675戸へ配る事が出来ました。
・14時~16時まで 全体集会(玄海町値賀公民館にて)
ポスティングの様子/感想、玄海町での要請質問書回答への感想、反原発運動のやり方etc...、時間いっぱい皆さんと語り合う事が出来ました。
原発を止めることができるまで、“12.2”の行動を続けていきます。
12.2反プルサーマル行動の日 要請・質問書
福島原発事故から学ぶことは玄海原発廃炉しかない
玄海3・4号機の運転延長を認めてはならない
停止と廃炉を求める
2022年12月2日
玄海町長 脇山伸太郎様
2009年12月2日は、日本で最初のプルサーマル運転が玄海原発3号機で始まった日です。私たち住民はプルサーマルと原発稼働を強行に進められたことに理解も納得もしていないことを、2010年から毎年"12・2反プルサーマルの日"として行動で示してきました。今年で13回目となります。
玄海3号機プルサーマルのMOX燃料プルトニウム濃度は、世界の実績よりさらに高く、安全性が十分検証されていないままです。住民はモルモットにされています。プルサーマルは通常のウラン燃料と比べて、制御棒の利きが悪くなり、燃料破損の可能性が高くなるなどの指摘に対し、九州電力からは明快な回答もされておらず、加えて重大事故の発生の確率ならびに起きた時の被害をさらに拡大する可能性があると、専門家が危惧しています。政府は「東京電力福島第一原発事故の犠牲」と「核燃料サイクルの破綻」を無視した原子力政策に固執するのみで、国民の安全安心を守るつもりがある様には見えません。
今年8月24日岸田首相は、「①稼働中の10基に加え、7基を再稼働、②原発稼働原則40年、例外的に一回のみ稼働期間の20年の延長可能とした原子炉等規制法の43条を削除、③次世代革新炉の新増設」を表明しました。福島原発の事故処理はいまだに終わらず、被災者・被害者の苦しみは続いています。福島原発事故以来、政府が避けていた「新増設」に踏み込む岸田首相の発言は、原発の安全性への不安を抱いている国民を無視するものでこれは、暴挙というしかありません。
2020年11月18日、玄海3号機では使用済みMOX燃料16体が発生しました。現時点で利用も廃棄もできない使用済みMOX燃料の管理という難問に対して、九州電力や政府は「未来の研究開発に取組む」と先送りの無責任極まりない回答を繰り返しています。
福島原発事故では、多くの住民が突然くらしを奪われ、田畑を放射能に汚され、避難生活を余儀なくされました。私たちは福島原発事故を決して忘れてはならないのです。被害を負う住民として、子どもたちを守る大人として、以下の要請と質問に文書での回答をお願いします。
【要請事項】
1.貴職は住民のくらしを守る立場だからこそ、プルサーマル炉の玄海原発3 号機、ならびに 4 号機の同意を取り消し、 直ちに停止するように、国と九州電力に求めること。
2.原発運転期間の原則40年、最長60年制限の削除が決められようとしている。安全性が確保されない老朽原発程危険なものはない。玄海町長として住民の安全を第一に考え、運転延長の設置変更届には承認を与えないこと。
3. 原子力事故発生時、安定ヨウ素剤は住民にとって甲状腺を守る必須のものである。安定ヨウ素剤の配布を100%徹底するのが玄海町長の最低限の責務と心得え早急に配布を進めること。
【質問事項】
1.私たちは2019年以来、脇山町長が入札業者から不透明な100万円授受をし、「関電幹部の原発マネー不正還流事件」が発覚した後、長期間経ってから、密かに返却したこと、説明責任を十分に果たしてないことを忘れていません。町長は今年7月の町長選の際、「後世に負担を残さない行政づくりを行うには、1期4年は十分な期間ではなかった。次の選挙に出馬し、町民が幸せで豊かな生活を送れる町を目指し、努力する」(佐賀新聞2022/3/11)と答弁しました。「後世に負担を残さない行政」というのは原発を止めることが第一歩とは思いませんか?
2.使用済み核燃料の乾式貯蔵施設の設置について玄海町は事前了解しています(2021/9/3)。その後の行き先の六ケ所村再処理工場の建設は今年で26回目の完成延期をしています。何年間玄海町に留め置かれるか九州電力に確認しましたか?
3.原発運転期間の原則40年、最長60年の制限の削除が今年中に決められようとしています。脇山町長は「ありがたい判断」(佐賀新聞2022/10/6)とコメントを公表していますが、安全とは言わないと公言している規制委員会の審査で安全性が担保されると考えていますか?
40年の運転を見越して用意されている脆性遷移温度を測る試験片は長期の運転に足りる数が完全な形で格納されているのか九州電力に確認しましたか?
4.原子力防災避難計画では、佐賀県小城市が玄海町民の避難先に指定されています。玄海町から吹く風は統計上約6割強が北北西(国土交通省気象庁統計1991-2020の最多風向き)の風になっています。住民の安全安心な避難を考えた時、小城市は妥当な避難先と考えますか?当日の風向きで移動するべき第2の避難所の場所はどこに確保していますか?
5.原発がひとたび事故を起こし放射能が拡散された時に住民の甲状腺を守る必須のものとして安定ヨウ素剤がありますが、玄海町の配布状況はPAZ(3,328人=40歳未満1,218人)の26.7%(325人)しか完了していません。UPZに至っては(2,164人=2017年~2021年まで=17名済、2021年は0人、2020年は2名)%を出せないくらい低い配布率です。(2021/12玄海町への聞き取りにて) 自治体は住民の命、財産を守る責務を考えて2022年度中の配布率100%の達成を計画していますか?
6.2021年11月30日玄海3号機の1次冷却水中の放射性ヨウ素濃度が上昇し、193体の燃料集合体の内の燃料棒1本からの漏えいが確認されました。ファイバースコープによる外観調査等を行ったが原因は究明されず、「偶発的に発生した微小孔」からの漏えいが原因であると九州電力は「推定」しました。原因が究明されないという事態に対して住民の安全安心を守る玄海町長として九州電力にさらなる原因究明は要請しましたか?したのであれば結果を教えてください?
7.福島原発事故時、福島県の首長の中でただ一人町民の県外避難を実現させた元福島県双葉町長、井戸川克隆さんは現在、福島被ばく訴訟の原告として裁判を闘っています。福島原発事故当時、自治体に知らされるべき多くの情報が町長に届かなかった事から、町長として住民を守る事が出来なかったといいます。今後原発事故が起こったら原発立地自治体の長は損害賠償を請求される可能性が大だとも言っています。玄海町の首長として損害賠償を払わねばならない可能性を考えた事はありますか?払う用意はありますか?
8.原発がある立地自治体首長として住民の健康を守る事は重要な責務です。福島震災前まで実施していた玄海町住民健康審査のデータが存在しますが、公表を拒否しています。玄海町住民健康審査のデータは住民の大事な財産です。個人を特定しない形での公表をするべきではないですか?
9.原発は事故がなくても膨大な量の放射性トリチウムを空に海に大地に垂れ流しています。特に玄海原発は全国の原発の中で最大量を放出しています。ノーベル賞学者小柴昌俊氏が2003年に小泉純一郎総理に宛てた嘆願書の中で「トリチウムはわずか1ミリグラムで致死量となる猛毒」と述べています。玄海町長として発生源の九州電力と規制責任者、国にトリチウムの毒性および健康と環境への安全性証明を求める必要性を感じていますか?速やかに住民の疫学的健康調査を実施すべきではないですか?
以上
あしたの命を考える会/今を生きる会/風ふくおかの会/玄海原発反対からつ事務所
原発知っちょる会/原発を考える鳥栖の会/さよなら玄海原発の会・久留米
戦争と原発のない社会をめざす福岡市民の会/脱原発電力労働者九州連絡会議/たんぽぽとりで
怒髪天を衝く会/東区から玄海原発の廃炉を考える会/福岡で福島を考える会
プルサーマルと佐賀県の100年を考える会/玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会