12月11日、福岡高裁(久留島群一裁判長)にて、玄海原発控訴審口頭弁論(全基差止第13回と行政訴訟第12回)が開かれました。
最低気温4℃、日中も10℃という冬空の中、門前集会には約50名が集まりました。プレゼンを行う小山英之さんの力強い意気込みの挨拶から始まり、各地から集まった仲間のスピーチに互いに勇気づけられ、入廷行動を行いました。
行政弁論では、控訴人・小山英之さん(美浜の会代表)が最大の争点、地震動・ばらつきについてプレゼンテーションを60分間行いました。小山さんの迫力ある説明に裁判長が頷いているようにも見えました。
全基弁論では、被控訴人九州電力の原子力発電本部部長の中村竹弥氏の証人尋問が行われました。九電側弁護士による主尋問では、「原子力発電はこんな原理になっており安全。福島事故以降、シビアアクシデント対策も追加しており心配ありません」という教科書の確認のような答弁でした。
控訴人反対尋問では、まず、大橋さゆり弁護士が質問に立ち、被告の言う「多重防護」に対してIAEAの「深層防護」を対比させ、微妙な相違を浮き彫りにして、施設外に放射能が漏れ出す事態への脆弱性を浮き彫りにしました。
次に谷次郎弁護士が、玄海3・4号機には死角が無いと言い切る九電中村氏に、スリーマイル島の事故、美浜2号機の蒸気発生器事故、玄海1号機の一次系冷却設備異常による緊急停止事故等等の具体例を挙げて反論追及しました。中村氏は、原発の歴史的事故歴などをよく認知しておらず、地震や火山については「自分の担当外なので、回答を控えさせてもらう」「よくわかりません」となどと回答するばかりでした。
次回来年4月の法廷では、国が小山氏プレゼンを受けて方針転換し、国もプレゼンを行うこととなりました。
そして7月の法廷でいよいよ結審を迎えます。
勝利へ向けて、みなさん、引き続きのご支援、ご注目をお願いします!
【次回控訴審(福岡高裁)期日】
◆2025年4月23日(水)
12:15 集合
12:30 門前集会
13:30 行政訴訟第13回弁論 福岡高裁101号法廷
プレゼンテーション:被控訴人・国
15:00 全基差止第14回弁論 福岡高裁101号法廷
17:00 記者会見・報告集会 福岡県弁護士会館
◆2025年7月15日(火)結審