【佐賀県知事要請:核ゴミ受け入れ反対を/避難計画の実効性を問う】

“12.2反プルサーマルの日”に際して、12月9日、プルサーマル事前了解権を持つ佐賀県知事に要請質問書を提出しました。

玄海原発の停止・廃炉と、核ゴミ最終処分場の受け入れ断固反対を求めるとともに、能登半島地震であらためて露わになった原発避難計画の実効性のなさについての質問をしました。

12.2反プルサーマルの日行動に於いて 要請・質問書

住民は国策の犠牲になりたくない

玄海原発の停止と廃炉を求める

2024年12月9日

佐賀県知事 山口祥義様

 

 2009年12月2日は、九州電力が日本で最初のプルサーマル運転を玄海3号機で強行した日です。佐賀県は「国の安全審査によって理解・納得した」と事前了解し強行しました。しかし住民は理解も納得もしていません。私たちは、2010年から毎年"12・2反プルサーマルの日"として、玄海町民への広報活動と玄海町長、佐賀県知事、九州電力へ要請質問書提出などで行動してきました。今年で15回目となります。

 今年1月26日、玄海3号機はプルサーマル発電を一時停止し、現在ウラン燃料だけで運転しています。しかし、去る10月18日の新聞では、フランスで40体のMOX燃料を製造し、2027年度以降、玄海3号機で装荷すると報道されました。現在、玄海3号機の使用済みMOX燃料36体は使用済みウラン燃料と同じプール内で冷却していますが、使用済みMOX燃料は使用済みウラン燃料より発熱量が高いと言われています。使用済みMOX燃料の搬出先は何も決まらないままに、九電は特段の対処もするつもりがなく無責任にも「当分の間プールで保管する」と、国の指示待ちです。

 原発事故がひとたび起これば重大な被害をもたらすことは東京電力福島第一原発事故で明らかです。3.11後、国と東京電力を相手に起こした住民らの裁判では、東京電力の賠償責任はみとめられたものの、国に対して、最高裁判所の判決は「現実の地震・津波は想定よりはるかに大規模で、防潮堤を設置させても事故は防げなかった」「国が規制権限を行使しても事故は防げず、国家賠償法上の違法性はない」と結論づけ、想定外の事故には責任なしと理不尽極まりないものです。一方的に被害を被った住民は泣き寝入り、「仕方なかったのだ」と言うのでしょうか。

 山口佐賀県知事は私たちの質問に「原子力災害の状況はその時々で変化するものであり、最悪の想定を具体的に示すことは困難です」と回答しています。(2022/2/15日付県知事宛要請質問の回答)福島第一原発事故からの学びは「想定外が想定できなければ、原発はやめる」こと以外にありません。

 今年元旦に起きた能登半島地震に続き、8月8日に起きた日向灘地震と、地震はいつどこで起きるかもしれない現実がそこまで来ています。気象庁は日向灘地震後「南海トラフ地震臨時情報」を発表しています。この状況にもかかわらず、日本政府は原発推進政策に舵を切っています。これは正気の沙汰とは思えません。佐賀県知事の責務は「県民の命と暮らしを守る」砦です。

 そこで本日要請と質問をします。なお要請、質問ともに住民の不安を取り除くに足りる具体的な回答をお願いします。

 

《要請事項》

1.規制委員長は「どんなに備えても原発事故はあると考えるのが基本、100%の安全を保障するものではない」と原発事故を前提としている。私たちは間違った国策の犠牲にはなりたくない。玄海原発を一日も早く止め、廃炉を求める。

2.新潟県の柏崎刈羽原子力発電所と茨城県の東?第二発電所では、緊急時対応の検討のために、県あるいは事業者による放射性物質拡散シミュレーションが実施され公開されている。しかし、玄海原子力発電所に関しては、緊急時対応の検討の参考となるような放射性物質拡散シミュレーションが行われていない、もしくは公開されていない。原発の安全の第一義の責任は電力事業者となっていることから、九州電力が放射性物質拡散シミュレーションを実施することは当然のことである。佐賀県は九州電力に対し、「玄海原発緊急時の放射性物質拡散シミュレーション」の開示を要求するとともに、その結果を佐賀県として公開することを求める。

3.脇山町長は住民説明会もなしで拙速な文献調査受入表明をした。これは玄海町が最終処分場建設に第一歩を踏み込んだことだ。山口知事は「かねてから佐賀県として新たな負担を受入れる考えはない」と最終処分場建設受入を否定している。10万年も暮らしから隔離、管理が必要で危険な核のごみ(死の灰)を生み出す原発はやめることしかない。最終処分場を必要とする死の灰を増やした責任の一端は再稼働を容認した山口知事にある。その反省に立ち、最終処分場の受け入れに断固反対するととともに、すべての原発を止めるよう政府と九州電力に働きかけること。

 

《質問事項》

1.能登半島地震を踏まえた原子力災害対策指針の見直しについて

 2024年元旦に発生した能登半島地震では、多くの家屋が倒壊し、広い範囲で道路が寸断・地盤隆起が生じ、港が使えなくなり孤立集落も発生し、放射能モニタリングポストが一部測定不能となった。1/31原子力規制庁と市民との交渉で規制庁から、「自然災害と原子力災害との複合災害に際しては人命最優先の観点から、まず自然災害に対する安全が確保されたあとに原子力災害に対応することが重要である」「能登半島地震を踏まえて原子力災害対策指針を見直すことは考えていない」「被ばくの可能性はある」「被ばくをゼロにすると言う考え方を我々は持っていない」と開き直りの驚きの回答があった。玄海原発のある佐賀県として、他人ごとではすまされない。知事は、この規制庁からの「それぞれの回答」をどう受止めているか、県民の命を守る立場として県民に向けての考えをお聞かせ頂きたい。 

 

2.能登半島地震を踏まえた玄海避難計画の詳細検討について

 環境経済研究所代表であり、新潟県原子力災害時の避難方法に関する検証委員会元委員の上岡直見氏は能登半島地震の実態を参照して玄海原発の避難計画の実効性を詳細に検討し、玄海原発差止裁判においても証人として陳述を行った(陳述書添付)。そこで指摘された下記の点それぞれについて、佐賀県として具体的にどのように受け止めているか。独自に検討を行っているのであれば、その内容を示されたい。

①想定される避難経路での道路支障により避難・一時移転が不可能であること、

②海岸の地形変状、港湾損傷により代替ルートとしての海路避難も不可能であること

③家屋の損傷で屋内退避が不可能であること

④ライフラインの途絶で屋内退避の継続が困難であること

⑤モニタリングポストの欠測により避難・一時移転判定が不可能であること

⑥道路支障等のため職員参集が不可能であることから避難退域時検査等場所の開設が不能であるこ

と、安定ヨウ素剤の服用・配布が不可能であること

⑦停電や通信インフラ途絶により住民情報取得が不可能であること

⑧給油所の機能停止により自動車燃料の入手が困難であること

⑨放射線防護施設の損傷により退避が不可能であること

 

3.市町長アンケートを踏まえた対応について

 今年3月10日の佐賀新聞記事に掲載された県内全市町長アンケートでは、能登半島地震を受けて玄海原発避難計画を「見直す必要がある」と回答したのは20市町中7市町長だった。多久市長は「あらゆるリスクや課題を想定し、万全を期した対策を充実することが最重要」と述べている。また、知事は「能登半島地震から得られた意見や気付きを検証する」と述べている。

①能登半島地震と同程度の地震が玄海原発を襲うことなど、「あらゆるリスクや課題」の想定は行ったのか。具体的に示されたい。

②市町長や住民、専門家など、誰からどのような意見を集め、どのような気づきがあったのか、具体的に示されたい。

③避難計画見直しに向けて、国からの指示待ちだけでなく、

a)佐賀県が主体的に取り組むことはしないのか。

b)原発避難計画について、新潟県のような検証委員会を設置する考えはないのか。

c)上岡氏を含めた専門家からの意見聴取を行うつもりはないのか。

 

4.広域避難対策協議会について

 昨年7月14日付の要請質問書の中で「アンケートで明らかになった避難先自治体の不安の声を重く受け止め、丁寧に聞き取り調査を行い、問題点をあぶりだし、避難元と避難先の協議を佐賀県として進めること」と求めたことに対して、知事は同8月4日付で「毎年度、避難元と避難先市町が参加する広域避難対策協議会の中で、ご指摘いただいた避難先自治体からの不安の声について、議論を重ねていきたい」と回答した。

今年度の協議会においては、能登半島地震を踏まえた議論もなされたと思うが、22年度、23年度、24年度の広域避難対策協議会はいつ開催され、どのような協議がされたのか。資料と議事録の開示を求める。

 

5.核ゴミ文献調査について

 山口知事は定例記者会見(2024/5/23)で、「最終処分場の話というのは、国全体として必要だ。消費地も含めて国全体で議論しながら考えて頂きたい」と述べた。原発政策を進めてきたのは国であり、核のごみ(死の灰)は九州電力が出した産業廃棄物である。住民の多くは「10万年もの長期間危険なものとして管理すること」など知らされていないように、なんの権限も情報もない住民が、「みんなで考えていく問題だ」"考えて頂きたい"と言われなければいけないのか。私たち住民に納得いく訳を聞かせて頂きたい。

 

 以上、1月10日までに回答を求めます。尚、それまでに間に合わない場合は、理由を添えて新たな回答期日の連絡をお願いします。

 

【提出14団体】

あしたの命を考える会/今を生きる会/風ふくおかの会/玄海原発反対からつ事務所/原発知っちょる会/原発を考える鳥栖の会/さよなら玄海原発の会・久留米/戦争と原発のない社会をめざす福岡市民の会/脱原発電力労働者九州連絡会議/たんぽぽとりで/怒髪天を衝く会/東区から玄海原発の廃炉を考える会/福岡で福島を考える会/玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会

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20241202知事質問要請(提出版)●.pdf
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◆報道