「意見は重く受止める」だけ?
文献調査だけでは終わらない?
玄海町「対話を行う場」は
公正・公開・中立に開くべき!
高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定をめぐり、玄海町は国内で3例目の「文献調査」受け入れ地となった。原発立地自治体としては初めてだ。2024年6月10日より文献調査が開始された。
今回の文献調査問題は玄海町だけの問題でなく、佐賀県、九州全域の住民の暮らしに長期にわたって影響を与える大問題だ。そこで、文献調査から概要調査に進むのを阻止すべく、広く市民に訴え、自治体首長や議会への働きかけを強めようと、今年3月29日「核ゴミお断り!10万年先の子どもも守る九州の会」(略称:核ゴミ10万年の会)が市民有志により発足された。一人ひとりが少しずつ力を持ち寄って、未来の子ども達にも安心して暮らせる社会を渡せるようしなければならない、そう心から願っての事だ。
●玄海町が3例目(原発立地初)の文献調査受入地に
2024年5月10日、脇山町長は表面化してからわずか一ヶ月足らずで住民説明会もせず受入表明をした。なぜこんなに急ぐのか不信感と憤りで、急遽、有志が結成した「玄海最終処分場を考える会」では電話アンケート調査を実施した。結果は下記の通りほとんどの住民が重要な事実を知らされないまま進められていることが明らかになった。
<電話アンケート調査結果>
(実施期間:2024年4月28日~5月1日の4日間)
発信数824件/通話数312件/回答者111件
「住民への説明は十分に行われたと思いますか?」 ⇒ 「行われていない」89/111人。「わからない」21/111人。 「行われた」1/111人(全体の1%)。
99%が説明不足または不明と回答した。玄海町民が現状の説明に不安と疑問を感じていることは看過できない。
●国「時間をかけて首長の"翻意"を待つ」
※翻意=いったんした決意を変えること
『知事らの反対で第1段階の文献調査から次の概要調査への移行がストップしても、候補地から除外される訳ではない事が、経産省への取材で分かった。国は、時間が経過し首長の*翻意や交代で同意が得られれば、次の段階に進むことができるとしている。最終処分関連法では、文献調査から概要調査、さらに第3段階の精密調査にそれぞれ進む前に、所在地の知事や市町村長の意見を聴き「尊重」するように義務づけている。梶山経産相は「市町村長と知事の意見に反して先には進まない」と説明するが「断念する」とは言及していない。知事らの反対で概要調査に進まなくても文献調査をした実績は残るため、国は首長の翻意など情勢が変化することも想定し、時間をかけて調査継続への理解を求めていく方針だ』<2020年9月6日付北海道新聞より引用>
国は簡単には諦めないのだ。
●「重く受け止めて最終的には国が決定する」
最終処分(地層処分)について、「2000年5月10日第147回国会、衆議院商工委員会」において、横路委員の「意見を聞いて反対でもやるときはやるんだ、こういうことですか」の質問に、深谷国務大臣は、「最終処分計画において、その調査地区等を決定する際には、所管する県知事及び町長の意見を聞いて、これを極めて重く受け止めて最終的には国が決定するものだ、そういう規定であります」と答えている。
脇山町長は、昨年5月7日、斎藤経産大臣との面談後「文献調査が処分地選定に直結するものではないとの言質を頂いた。なし崩し的に最終処分場になる事はないと考えている」と記者団に答えているが、その保障はない、後戻りはできないと言うことだ。
後日の記者会見では「本当は文献調査に手を挙げたくなかった」と無責任にも程がある発言をしている(同5月27日)。原発は、地元県知事と地元町長のたった二人の同意で進められている今の仕組みだからこそ、住民の命を背負った責任を重大なものとして負うべきである。
●玄海町・NUMO「対話を行う場」へ
「核のゴミ10万年の会」が疑問を質す
文献調査が始まって半年以上経過した今年2月、文献調査について「対話を行う場」の開催案内チラシが玄海町内全世帯に配布された。チラシによると、主催は住民有志による実行委員会、事務局はNUMOが担うとなっている。参加枠はわずか20名、うち町民の公募は5名。極めて限定的なやり方に、強い懸念を抱かざるを得ない。東京のNUMOに電話して「実行委員会のメンバーが誰なのか」と問うと、「教えられない」という。また「この電話は意見や抗議を受ける電話ではない」。では「どこにかければいいのか?」と聞くと、「それはない。ここで今聞く」と、地元外の住民と思ったのか、対応が酷かった。
そこで、核ゴミ10万年の会は最初の活動として、4月7日、実行委員会とNUMO宛に要望質問書を提出し、あわせて玄海町長に対しても要請行動を行った。
★要請を行ったこの4月7日、「対話を行う場」が4月17日に開かれることが発表された。
参加者やグループ討議の様子は「非公開」という。
翌4月8日、NUMOが玄海町に職員5人を常駐する事務所開設。事態が慌ただしく進んでいる。10万年の会は、NUMO宛に前日に東京へ郵送していたが、仲間が開設日の8日も現地事務所を訪れ担当者に質問要望書を直接手渡した。
10万年先の未来のこどもにも影響を及ぼす核ゴミ問題について、このような限定的で公正でないやり方に私達は納得できない。真の「対話の場」を強く求めるとともに、まずは核ゴミをこれ以上増やさないよう、原発の稼働をすべて止めるようできることをしていきたい。
要請・質問書
核ゴミ文献調査 玄海町内外を問わず、全ての住民に
自ら丁寧な説明をしてください
2025年4月7日
玄海町長 脇山伸太郎 様
核ゴミお断り!10万年先の子どもも守る九州の会
共同代表 北川浩一 石丸初美
高レベル放射性廃棄物(いわゆる「核のごみ」)の最終処分場選定をめぐり、玄海町では昨年より国内で3例目となる文献調査が開始されています。昨年5月に「玄海最終処分場を考える会」が行った電話アンケート調査結果(5月2日に町長に提出済)では、町民の大多数が重要な事実を知らされないまま計画が進められていることが明らかになりました。文献調査開始後も、放射性廃棄物の危険性や将来世代への負担について住民に説明がなされていません。文献調査受入を決めた脇山町長には、住民が納得いく説明をする責任があります。
脇山町長は、斎藤経産大臣から「文献調査が処分地選定に直結するものではないとの言質を頂いた。なし崩し的に最終処分場になる事はないと考えている」と記者団に答えていますが、後日記者会見で「本当は文献調査に手を挙げたくなかった」と無責任な発言もされました(2024年5月27日)。
この件について、2000年5月10日第147回国会、衆議院商工委員会において、横路委員の「知事や市町村長が反対してもやるということですか?」の質問に、深谷国務大臣は、「最終処分計画においてその調査地区等を決定する際には、県知事及び町長の意見を聞いて、これを極めて重く受けとめて、最終的には国が決定するものだ、そういう規定であります」と答えています。また、経産省は「知事らの反対で概要調査に進まなくても文献調査をした実績は残るため、国は首長の*翻意など情勢が変化することも想定し、時間をかけて調査継続への理解を求める」とあります(北海道新聞2020.9.6)。町長が想定している「なし崩し的にはならない」という保障はありません。
私たち『核ゴミお断り!10万年先の子どもも守る九州の会』は、このような状況に強い危機感と憤りを抱いています。
今月からNUMOが準備事務局となっている「対話を行う場」の開催が予定されていますが、この場が住民に開かれた、真に公正なものとなるのか、私達は心配しています。そこで、以下の点について貴職に質問と要請をしますので、「対話を行う場」の開催前に回答をお願いします。
【質問事項】
(1)玄海町は「対話を行う場」に対して、どのような形で関わっているのか、具体的にお答ください。
(2)「対話を行う場」の参加人数、回数、内容等について、私達は多くの疑問を持ちましたので、本日、実行委員会とNUMOに対して、別紙の通り質問・要望書を提出しました。そこに記載した質問と要望について、住民の命を預かる町長として、どのようにお考えになるか、1つ1つにお答えください。
(3)放射性廃棄物が「10万年」という桁外れの超長期にわたる管理を必要とするのはなぜですか。具体的に説明してください。
(4)「10万年」も生活圏から離して管理が必要な膨大な量の核のゴミ(死の灰)が、なぜ溜まってしまったのか、その訳と経緯を詳しく教えてください。
(5)全国の原発から出る放射性廃棄物の最終処分を、なぜ一箇所で行うことになっているのか、納得いく説明を求めます。
(6)「原発の利用に伴う最終処分場問題は、国民全体の責任であり、未来の世代にも先送りせず、理解を深めることがもとめられています」となっています(政府広報オンラインによる)。そうであれば、10万年も管理が必要な「核のゴミ(死の灰)」を出す前に、国民に「原発の電気を使ったならば後始末は国民の問題となる」と事前に説明があってしかるべきです。私たちはその説明を聞いていません。はたして国民はこの重大な問題の責任を負わなければならないことを知っているのでしょうか。町長のお考えは政府と同じで、国民の責任と思いますか。はいか、いいえでお答えください。その理由もお願いします。
【要請事項】
(1)核の最終処分場には人も近寄れない死の灰が地下に埋められるのです。安全管理は当然です。しかし10万年も未来の責任は誰にも取れません。国民には判断できる情報も与えず、国民の問題だと押しつけるのは言語道断です。町長は事前了解権を持つ立場の一人として、説明責任があります。今回の文献調査受入を決めた町長には、玄海町外の近隣市町の住民に対しても、説明責任があります。玄海町内外を問わず、全ての住民が納得するまで自ら丁寧な説明を行うこと。
(2)「対話を行う場」実行委員会とNUMOに対して、私達の「質問・要望書」に挙げた点も含め、「対話を行う場」が真に開かれた、公正な場となるよう、実行委員会とNUMOに働きかけること。
※翻意とは=いったんした決意を変えること。
「対話を行う場」の参加募集および実施に関する質問・要望書
2025年4月7日
「対話を行う場」実行委員会 様
原子力発電環境整備機構 理事長 山口 彰様
核ゴミお断り!10万年先の子どもも守る九州の会
共同代表:北川浩一 石丸初美
貴機関が玄海町民に対して配布した「対話の場の参加募集」チラシに関し、記載内容および実施内容について、以下質問と要望をいたします
現在、原子力発電環境整備機構(NUMO)が準備事務局となる「対話を行う場」の開催に向けて準備が進められていますが、その情報はチラシのみで十分に開示されていません。核のゴミ問題は、10万年先の未来にまで影響を及ぼす住民にとって極めて重要な課題です。単なる形式的な説明の場に終わるのではなく、住民の疑問に答え理解と信頼を得るために、実行委員会の透明性を確保し、責任ある運営を求めます。
以下の質問と要望項目について、「対話を行う場」開催前までの回答をお願いします。
【質問事項】
(1)実行委員会の構成メンバーを明らかにしてください。
(2)参加予定者は、どのような年代、所属、職業を検討していますか。
(3)参加者以外の傍聴はできるのか。できないのであればその理由を教えてください。
(4)配布チラシには、参加者予定人数は、毎回20名程度とし、うち公募からの町民は5名となっていますが、寿都町、神恵内村と比較すると玄海町の参加人数・開催頻度ともに極めて不十分であるのは明らかです。チラシには「皆さまの素朴な疑問や不安について意見交換し、関心を深めてもらうため」と記載されています。あまりにも少ない人数と回数を決めた理由を教えてください。
(5)応募参加者を玄海町民だけに限定するのはなぜですか。納得いく理由を教えてください。
(6)玄海町外の住民も参加できる枠を設け、より広い住民の声を取り入れるべきです。そのような参加機会の拡大について、実行委員会としてどのような方針をお考えですか。
(7)電話アンケート結果※では99%の住民が「説明が行われていない」「わからない」と回答されました。この状況を踏まえ、今後、実行委員会として住民への丁寧な情報提供を強化する考えはありますか。あれば、どのような方法で実施するお考えですか。
【要望事項】
(1)国やNUMOの関係者だけが説明を担うのではなく、中立な立場からも説明を行い、進行役も設けることを求めます。
《理由》現行の説明体制では、国や原子力発電環境整備機構(NUMO)の立場に偏った内容にとどまる可能性があります。核のゴミ問題は、地域社会や将来世代に大きな影響を与える極めて重要な課題です。だからこそ、誰もが納得できる対話の場を整えることが不可欠であり、そのためには説明や進行のあり方が公正であることが大前提です。一方的にNUMO寄りの安全性を強調するような偏った説明や進行ではなく、より開かれた議論が行える場となることを求めます。
(2)「対話を行う場」での資料や、参加者から出た意見を議事録として公開し、次回開催までに公開することを求めます。
(3)寿都町と神恵内村での住民説明会で出た意見や質問を「Q&Aなど」にまとめたものを、玄海町の参加者へ「対話を行う場」開催前に配布するよう要望します。
(4)対話の内容を地域にどのように反映するのか、明確に住民に公表することを求めます。
上記の質問・要望事項の回答を同封の返信用封筒かメール添付にて、「対話を行う場」が行われる前までに、ご送付いただきたくお願い致します。
※「電話かけアンケート」
2024年4月28日から5月1日の4日間、「玄海最終処分場を考える会」による、NTT電話帳のリストをもとに玄海町民を対象に電話アンケートを実施しました。以下のような結果が得られました。
o 発信件数:824件 / 通話件数:312件 / 回答してくれた人:111件
o「住民への説明は十分に行われたと思いますか?」の問いに対して
「行われていない」⇒89/111、「わからない」⇒21/111人、「行われた」⇒1/111人(※全体の1%)でした。
o99%が説明不足または不明と回答しました。玄海町民が現状の説明体制に不安と疑問を感じている
ことは看過できません。



