2009年12月2日は、九州電力が日本で最初のプルサーマル運転を、玄海3号機で強行した日です。
住民は理解も納得もしていないと、2010年から毎年"12・2反プルサーマルの日"として行動で示してきました。
今年も12月2日この日に、玄海町内へのチラシ・ポスティングと町長への要請を行いました。
今年で16回目になります。福岡など遠くからも仲間が駆けつけ、今年も23名の参加でした。
戸別訪問すると、話をしてくれる住民は少ないですが、本音を話してくれます。町内で原発問題は話すことはできないと言われます。「原発はない方がいい」と思っている人は、私たちに時間かけて話してくれます。
私は、今年はたまたま、原発労働者の現役の方二人に話を聞けました。仕事しているから賛成しているかと思ったら、「原発は止めなければいかん」と。被ばくするところで働いているのに、作業はヘルメットだけと言われていました。手を見せて、「自分は被ばくしとるよ」と言われました。言葉がありませんでした。
「仕方なか~~」「町長たちは、人の命を、なんとも思~とらん」という人もいました。
これからも、原発止めるために私たちできることをしていこうと思っています。
(石丸初美)
◆報道
12.2反プルサーマルの日行動 要請・質問書
原発は全ての生き物に被ばくを押し付ける“死の灰”を生み出す
住民が正しい判断できるような誠意ある説明がなされていない
玄海原発の即時停止と 核ゴミ文献調査受け入れ撤回を求める
2025年12月2日
玄海町長 脇山伸太郎 様
2009年12月2日は、九州電力が玄海3号機で日本初のプルサーマル商業運転を始めた日です。私たちは理解も納得もしていないと、2010年から毎年“12・2反プルサーマルの日”としてこの日に行動してきました。今年で16回目です。
プルサーマルは、普通の原子炉に猛毒物質プルトニウムを混ぜたMOXを燃料とした発電方法です。石油ストーブにガソリンを使うような危険なものとたとえられています。多くの科学者の警告に耳を傾けず強行しました。プルトニウムは半減期2万4000年、人類には制御・管理できない危険なもので核兵器の材料です。現在日本ではプルトニウムは、44.4t(長崎原爆約6000発分)も溜まり続けています。
【プルサーマルの危険性と問題点】
・事故時の放射能被害の範囲はウラン燃料の4倍になる(ラスムッセン報告)
・制御が不安定になる
・ウラン燃料の10倍近い価格(朝日新聞2023年7月8日)
・再処理技術は未完成。現在使用しているMOX燃料はフランスに委託している。
・使用済MOX燃料の「確立された商業的な再処理・最終処分方法」は世界中どこにも存在していない。
・玄海の使用済MOX燃料は、発熱温度が高いにも関わらず、通常の使用済燃料と同じプールで冷やしている(現在36体)。九電は「当面の間玄海のプールに保管」と回答しているが、具体的な搬出先や期間は示していない。
・現在フランス(オラノ社)に新たな40体のMOX製造を依頼(2024年10月18日)。
・プルトニウムが核兵器の原料であることから、核拡散のリスクがウラン燃料より高くなると指摘されている。
原発でひとたび事故が起きれば放射能被害は逃れられないと、東京電力福島原発事故で私たち国民は衝撃を受けました。それまで日本の原発は安全で事故はないと信じ込まされていました。
プルサーマルで事故が起きれば被害はそれ以上のものと考えられます。しかし原子力規制委員会は「事故は起きる」としながら、次々と無責任に再稼働を認めてきました。原発は放射性物質が深刻な環境破壊を引き起こし命に直結する問題です。この重大な問題を住民には誠意ある説明もなしに進められてきました。
また昨年6月から始まった高レベル放射性廃棄物の最終処分場建設の文献調査は、次の概要調査に進むには佐賀県知事と玄海町長の同意が必要です。山口県知事は「最終処分場を含めた新たな負担を受け入れる考えはない」(2024年4月16日)と表明しています。脇山町長も「概要調査に進むことは否定的な考え」を述べています。
以下、2024年5月27日に日本記者クラブのオンライン記者会見での発言です。
記者:「文献調査終了後、次の概要調査に知事や町長の了解が必要。一度文献調査を受け入れたという事実と調査の結果は残り続ける。将来脇山町長が関われない時に最終処分場の選定が玄海町内で進んでしまうというリスクについてどう思うか?」
町長:「自ら手を挙げない、最終処分場を玄海町に引き受けるという事を基本的に持っていなかった。文献調査結果が出る時点で将来の事だから誰が町長かわからないが、今後最終処分場になるのではないかという懸念はあるかも知れないが、斎藤経産大臣から“文献調査の結果が出ても、強制的なことにはならない”と話を聞いている」「今後の町長、議会の事は自分にはわからないので答弁は難しい。自分が実際に最終処分場になるきっかけを作ったことにはなるだろう」「玄海町は最終処分場に適しているとは今でも思っていない。電気を供給する自治体としての考えしか持っていない。自分がもしも町長から離れたとしても、そういった活動はしていきたい」という発言をされました。
私たちは運動の中で、住民の方々の話を聞いています。核のゴミを含めた原発問題は「反対でも話せない、近所の人と原発の話はできない、よくわからん」と、被害を受けるかもしれない住民が、十分な理解をされていないのが事実です。脇山町長は「議会制民主主義」「二元代表制」といった制度の名のもとに、住民に誠意ある説明をしていません。
そこで本日要請と質問をします。なお要請、質問ともに住民の不安を取り除くに足りる具体的な回答をお願いします。
要請事項及び質問事項
➀文献調査について
一度受入れを実施した自治体に対しては実績を重視し、地元の反対があっても撤退しづらい構造になっている。国は、時間が経過し首長の翻意や交代で同意が得られれば、次の段階に進むことができるとしている(2020年9月6日/北海道新聞)。「第147回国会・衆議院商工委員会」(2000年5月10日)において横路議員の「同意がなければやらないと解釈してよいか?」の質問に、当時の深谷経済産業大臣は「知事及び市町村長の意見を聞いてこれを極めて重く受け止めて、最終的には国が決定するものだ。そういう規定であります」と答えている。脇山町長が、住民に説明もしないまま決めた責任は重大である。国がこれまで進めてきた原発政策は、住民への誠意ある説明は常に欠いたままであり、安全神話を前提とした広報を続けてきた国や電力会社に追随してきた責任は重大である。
また、町長は文献調査受け入れ表明の際に「(原発から出る核のゴミ問題は)電気を使う者の共有責任として考えるべき」と発言された。住民への正しい説明もなく強引に進めてきた国と電力会社の責任であって、住民の責任ではない。住民に協力を求めるのなら、まずは核のゴミの元である原発をすべて止めて、日本全国の原発から発生する高レベル放射性廃棄物すべての量を受け入れることになること等、本当のことを正しく説明してからの話である。
<要請>
文献調査の受け入れが、将来的に最終処分場の設置へと既成事実化されることを私たちは強く懸念しています。現町長の任期中に「自ら手を挙げない」との姿勢を示されたことは承知していますが、将来の町政に禍根を残すことになります。町長は昨年12月2日提出の私たちの質問に対して、
「仮に関係自治体の意に反して国が強引に推し進めようとした際には、全国の原発立地市町村で構成される全原協から国・経済産業省に対し、抗議の声を上げるとともに、経産大臣への面会を求め、抗議の声を直接届けることなどが考えられます」と回答しました。
そのような意志をお持ちなら、既成事実化させないためにも、文献調査結果が出る前に、今からでも文献調査受け入れを撤回してください。
<質問>
1. 「自分がきっかけを作ったことになる」とのご発言について、町長としての責任をどのようにお考えですか?
2.文献調査の受け入れにあたり、住民への説明会や意見聴取は行われませんでしたが、なぜおこなわなかったのですか。
3. 今後、概要調査に進むか否かの判断において、住民投票や公聴会など、町として住民の意思を反映する仕組みを設ける考えはありますか?
➁玄海原発相次ぐトラブル
・作業員の内部被ばく。玄海3号機で作業員1人が内部被ばく。(2025年5月10日)
・蒸気漏れ事故(2025年6月3日)
・弁が閉まり切らず…蒸気漏れを確認(2025年9月28日)
九電は今回漏れた蒸気は放射性物質を含んでおらず、作業員や周辺環境への影響はないと報告している。市民は「根拠を知る術」は何もない。九電に対する不信感と健康への不安は募る。原発問題は情報の透明性と信頼性が問われる。
<要請>
2025年に発生した内部被ばく事故や蒸気漏れ事故について、九州電力の説明は「影響なし」とされていますが、住民が納得できる根拠が示されていません。事故の詳細、原因、再発防止策について、県および町として独自に検証し、住民に説明する場を設けてください。
<質問>
⒈これらの事故に関して、県および町として独自に調査・検証を行いましたか?
2.九州電力の「影響なし」とする根拠をどのように確認し、住民に説明していますか?
3.今後、同様の事故が発生した際、住民への情報公開の迅速性と透明性をどのように担保しますか?
➂玄海原発真上“ドローン”飛行問題(2025年7月26日)
・原発の正門付近で警備員や警察官が三つの光を目撃した。九電は国内初の核物質防護情報通報事案として原子力規制委員会に通報。原発敷地内や周辺の上空で少なくとも2時間程度確認されたという。
・12時間後に「ドローンと思われる光」と訂正。9月19日に開かれた佐賀県議会で佐賀県警は「航空機の光をドローンと勘違いした可能性が高い」と答弁。
<要請>
放射性物質が大量に存在する危険区域である原発敷地内に不明な飛行物体が2時間も飛んでいたことに対して、私たちは極めて強い危機感と不安を抱きました。情報は二転三転し、結局、正体や目的など真相がまったく分からないままです。
九電の西山社長は「分かっていないところがある中でも、やれることを行う」(2025年10月31日記者会見)と精神論を述べましたが、私たちの不安はまったく払拭されません。
ドローン侵入事件の原因究明と、外部からの武力攻撃に対する抜本的な安全対策が確立されるまで、玄海原発のすべての原子炉を停止するよう九州電力に求めてください。
<質問>
1.原発上空での飛行物体に関する初動対応の遅れと情報訂正の経緯について、どのように検証されましたか?また九電からの報告はありましたか。
2.今後、同様の事案が発生した際の通報・情報公開の手順と責任体制はどうなっていますか?
3.原発周辺の空域監視体制の強化について、県および町として九州電力にどのような要請を行っていますか?
4.今回のドローン事件以外にも、玄海原発上空では所属不明の航空機が直近20年間で110回以上も飛んでいることが分かっています。原子炉真上での旋回(2022年6月15日)や、迷彩色のヘリの飛来(2022年3月30日)などもありました。軍用機を含む航空機やドローンが原子炉の上をいとも簡単に飛ぶことが許される状況を放置し、住民を不安と危険にさらしてきた責任は重大です。これらのケースについて、九州電力からどのように説明を受けていますか。
【提出15団体】
あしたの命を考える会 / 今を生きる会 / 風ふくおかの会 / 玄海原発反対からつ事務所 / 原発知っちょる会 / 原発を考える鳥栖の会 / さよなら玄海原発の会・久留米 / 戦争と原発のない社会をめざす福岡市民の会 / 脱原発電力労働者九州連絡会議 / たんぽぽとりで / 怒髪天を衝く会 / 東区から玄海原発の廃炉を考える会 / 福岡で福島を考える会 / エネルギーの未来を考える会 / 玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会
<事前告知>
2009年12月2日は日本初のプルサーマルが始まった日です
住民の不安の声を無視して稼働を続ける玄海3・4号機。
原発は日常的に放射性物質を垂れ流し、温排水で海をも暖めます。
動かせば必ず新たな“放射性廃棄物”が作られ、ひとたび事故を起こしたら、ふるさとが奪われます。
玄海町民にこのような事は知らされていましたか?本当の事は住民には知らされません。
12月2日、毎年の行動として16回目を迎える今年は、玄海町長宛要請質問書を提出します。その後、チラシの町内ポスティングを行います。ぜひ参加ください。
◆12月2日(火)9:30 玄海町役場集合
10:00 玄海町長へ要請質問書提出
11:00 玄海町内ポスティング・個別訪問
13:00 全体集会(値賀公民館)
15:30 終了予定
◆佐賀県知事、九州電力本店への要請質問書は後日提出予定






