“12.2反プルサーマルの日”行動の一環として、12月11日、佐賀県知事に要請質問書を提出しました。
玄海町で進む核ゴミ最終処分場文献調査について、知事は「最終処分場を含めた新たな負担を受け入れる考えはない」と述べてきましたが、私達は原発稼働に同意してきた知事自身の責任を問うとともに、「核ゴミ最終処分場を県内につくらせない条例」を制定するなどの具体的な行動を求めました。
1か月以内の回答を求めています。
12.2反プルサーマルの日行動 要請・質問書
原発は全ての生き物に被ばくを押し付ける“死の灰”を生み出す
住民が正しい判断できるような誠意ある説明がなされていない
玄海原発の即時停止と 核ゴミ文献調査受け入れ撤回を求める
2025年12月11日
佐賀県知事 山口祥義 様
2009年12月2日は、九州電力が玄海3号機で日本初のプルサーマル商業運転を始めた日です。私たちは理解も納得もしていないことを忘れさせまいと、2010年から毎年“12・2反プルサーマルの日”としてこの日に行動してきました。今年で16回目です。
プルサーマルは、普通の原子炉に猛毒物質プルトニウムを混ぜたMOXを燃料とした発電方法です。石油ストーブにガソリンを使うような危険なものとたとえられています。多くの科学者の警告に耳を傾けず強行しました。プルトニウムは半減期2万4000年、人類には制御・管理できない危険なもので核兵器の材料です。現在日本ではプルトニウムは、44.4t(長崎原爆約6000発分)も溜まり続けています。
【プルサーマルの危険性と問題点】
・事故時の放射能被害の範囲はウラン燃料の4倍になる(ラスムッセン報告)
・制御が不安定になる
・ウラン燃料の価格の10倍近い価格(朝日新聞2023年7月8日)
・再処理技術は未完成。現在使用しているMOX燃料はフランスに委託している。
・使用済MOX燃料の「確立された商業的な再処理・最終処分方法」は世界中どこにも存在していない。
・玄海の使用済MOX燃料は、発熱温度が高いにも関わらず、通常の使用済燃料と同じプールで冷やしている(現在36体)。九電は「当面の間玄海原発のプールに保管」と回答しているが、具体的な搬出先や期間は示していない。
・現在フランス(アラノ社)に新たな40体のMOX製造を依頼(2024年10月18日)。
・プルトニウムが核兵器の原料であることから、核拡散のリスクがウラン燃料より高くなると指摘されている。
原発でひとたび事故が起きれば放射能被害は逃れられないと、東京電力福島原発事故で私たち国民は衝撃を受けました。それまで日本の原発は安全で事故はないと信じ込まされていました。
ウラン専用に造った炉でプルトニウム量も濃度も高いMOX燃料が起こす事故は計り知れません。しかし原子力規制委員会は「事故は起きないとは言えない」としながら、全国の原発再稼働の「審査書案」を了承し、次々と無責任に再稼働を認めてきました。原発は放射性物質が深刻な環境破壊を引き起こす命の問題に直結するものです。この重大な問題は住民には誠意ある説明もなしに進められてきました。
また昨年6月から始まった高レベル放射性廃棄物の最終処分場候補地選定のための文献調査は、次の概要調査に進むには県知事と玄海町長の同意が必要であり、判断が求められます。山口県知事は「最終処分場を含めた新たな負担を受け入れる考えはない」(2024年4月16日)と表明しています。
私たちは運動の中で、住民の方々の話を聞いています。核のゴミを含めた原発問題は「反対でも話せない、近所の人と原発の話はできない」「よくわからん」と、被害を受けるかもしれない住民が、十分な理解をされていない声を聞いてきました。脇山町長は「議会制民主主義」「二元代表制」といった制度の名のもとに、住民説明会もしないままに文献調査は進められています。しかし住民は玄海町民だけに限りません。佐賀県民全体の問題でもあります。引いては国民の問題です。住民不在の文献調査が進められていることについての問題と、直近の玄海原発について本日要請と質問をします。
なお要請、質問ともに住民の不安を取り除くに足りる具体的な回答をお願いします。回答は1ケ月以内でお願いします。
要請事項及び質問事項
(1)文献調査について
<要請>
1.核ゴミ(死の灰)は、少なくとも10万年にわたり隔離を必要とする極めて危険なものです。知事の職を辞められた後であっても、県民を守るために「核ゴミ最終処分場を県内につくらせない条例」を制定すること
2.脇山玄海町長に対し、文献調査結果が出る前に、文献調査受け入れを撤回するように求めること
<2025.1.9回答文書に関する再質問>
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5.核ごみ文献調査について(私たちの質問) 山口知事は定例記者会見(2024.5.23)で、「最終処分場の話というのは、国全体として必要だ。消費地も含めて国全体で議論しながら考えていただきたい」と述べられました。原発政策を進めてきたのは国であり、格のゴミ(死の灰)は九州電力が出した産業廃棄物であります。住民の多くは「10万年もの長期間危険なものとして生活から隔離しなければならないこと」など知らされていません。何の権限も情報もない住民が、「みんなで考えていく問題だ」“考えていただきたい”と言われなければいけないのか、私たち住民に納得いく訳を聞かせて頂きたい。 |
2024年12月9日付で佐賀県知事へ提出した要請・質問に対し、2025年1月9日付で回答(下記枠内)がありました。しかし、その内容は私たちの質問に対する具体的な回答となっておらず、論点が不明確なままです。県民の命とくらしに直結する問題に納得いかない回答でした。以下再質問します。具体的な見解と方針をお示しください。
■知事回答⇒「高レベル放射性廃棄物の最終処分場の選定など、我が国の原子力政策は、国が責任を持って決めていくべきことだ」
<質問1>
⑴ 「国が責任を持つべき」との回答ですが、国に対して責任はどのように取るのか確認しましたか?
⑵ 県民の命とくらしに直結する原発問題について山口県知事の責任はどうなっていますか、県民にどのような責任を果たす考えですか。具体的な回答をお願いします。
■知事回答⇒「電力消費地である都市部の皆さんが享受している電気が、どこでつくられ、どこから来ているのか、自分ごととして関心を持つことが大事です」
<質問2>
⑶ 知事の回答は「都市部の皆さんが…」と述べていますが、主語が曖昧であり、誰に向けた発言なのか不明確です。主語は誰ですか。
⑷ 核のゴミ(死の灰)は原発を始めた時から対処しておくべき問題です。解決方法が見つからないまま、いつの間にか電気を使った人たち、国民の問題となっているのは納得いきません。原発政策に同意してきた山口知事は県民に対して説明責任を負う立場であります。なぜ自分事として関心を持たなければならないのか、具体的な理由をお示しください。
■知事回答⇒「高レベル放射性廃棄物の最終処分場については、どこに立地するのかを含めて国全体で考え、
負担は分かち合うべきだと思います」「そのため、最終処分場の選定プロセスにおいては、国民が関心を持って議論することが重要だと考えます」
<質問3>
⑸ 「国民が関心を持って議論することが重要」とのことですが、議論の前提となる情報が十分に提供されていません。知事はこれまで県民に対して核ゴミ問題を含む原発問題の理解促進をどのように実施されましたか。HPや県民だより以外に取り組まれた具体的な施策があればお示しください。
⑹ 高レベル放射性廃棄物は10万年という途方もない時間にわたる問題です。原発立地自治体の知事として、今後想定される課題について国に情報公開を求め、県民に伝える意思はありますか。
⑺ 「国民が議論することが重要」と述べられていますが、なぜ今この時点で議論を深める必要があるのか、その議論の具体的な内容と理由を説明してください。
⑻ 国民全体の議論を強調されていますが、県は、佐賀県民に対し議論して判断できる情報を提供していると思っていますか?
(2)玄海原発相次ぐトラブル
・作業員の内部被ばく。玄海3号機で作業員1人が内部被ばく。(2025年5月10日)
・蒸気漏れ事故(2025年6月3日)
・弁が閉まり切らず…蒸気漏れを確認(2025年9月28日)
九電は今回漏れた蒸気は放射性物質を含んでおらず、作業員や周辺環境への影響はないと報告している。市民は「根拠を知る術」は何もない。九電に対する不信感と健康への不安は募る。原発問題は情報の透明性と信頼性が問われる。
<要請>
2025年に発生した内部被ばく事故や蒸気漏れ事故について、九州電力の説明は「影響なし」とされていますが、住民が納得できる根拠が示されていません。事故の詳細、原因、再発防止策について、県として独自に検証し、住民に説明する場を設けてください。
<質問>
1.これらの事故に関して、県および町として独自に調査・検証を行いましたか?
2.九州電力の「影響なし」とする根拠をどのように確認し、住民に説明していますか?
3.今後、同様の事故が発生した際、住民への情報公開の迅速性と透明性をどのように担保しますか?
(3)玄海原発真上“ドローン”飛行問題(2025年7月26日)
・原発の正門付近で警備員や警察官が三つの光を目撃した。九電は国内初の核物質防護情報が原子力規制委員会に通報された。原発敷地内や周辺の上空で少なくとも2時間程度確認されたという。
・12時間後に「ドローンと思われる光」と訂正。9月19日に開かれた佐賀県議会で佐賀県警は「航空機の光をドローンと勘違いした可能性が高い」と答弁。
<要請>
放射性物質が大量に存在する危険区域である原発敷地内に不明な飛行物体が2時間も飛んでいたことに対して、私たちは極めて強い危機感と不安を抱きました。情報は二転三転し、結局、正体や目的など真相がまったく分からないままです。
九電の西山社長は「分かっていないところがある中でも、やれることを行う」(10月31日記者会見)と精神論を述べましたが、私たちの不安はまったく払拭されません。
ドローン侵入事件の原因究明と、外部からの武力攻撃に対する抜本的な安全対策が確立されるまで、玄海原発のすべての原子炉を停止するよう九州電力に求めてください。
【提出15団体】
あしたの命を考える会 / 今を生きる会 / 風ふくおかの会 / 玄海原発反対からつ事務所 / 原発知っちょる会 / 原発を考える鳥栖の会 / さよなら玄海原発の会・久留米 / 戦争と原発のない社会をめざす福岡市民の会 / 脱原発電力労働者九州連絡会議 / たんぽぽとりで / 怒髪天を衝く会 / 東区から玄海原発の廃炉を考える会 / 福岡で福島を考える会 / エネルギーの未来を考える会 / 玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会
