「不審な飛行物体の長時間旋回の疑惑」
玄海原発の即時運転停止を求めます
「原発にドローン」。日本中の誰もが知り驚愕した7月26日の全国ニュースです。その後、NHKクローズアップ現代『原発にドローンの脅威?見えてきた空の死角』(11/18)などでも特集されました。にもかかわらず、9月19日佐賀県議会で佐賀県警は「光る三つの飛行物体の正体はドローンではなく民間航空機だった可能性が高い」と説明しました。こうした根拠の無い説明で片付けられて済む話ではありません。
私たちは、これらの説明に納得いかず、9月9日に「事の真相が明らかになるまで、玄海原発を止めて安全を図るように」という九州電力社長宛の要請書を15団体連名で提出しました。その場で九電担当者は「法に従い、国・所轄官庁・警察機関へ連絡した。今後の対策として、監視力及び設備的対応も強化する」と答え、原子炉を止める必要性は無く、あとは何も言うことは無いと括りました。
私たちは、この事件を含めて過去1年間に玄海原発で起きた不祥事に関する質問状の提出を予告し、対応を求めました。9月29日に10項目の質問書を提出し30日以内の回答を求め、やっと実現したのが12月18日九電交渉です。
この要請質問書のタイトルは首記の通りですが、10の質問・・・『2024.1.1能登半島地震の教訓』『航空機落下による衝撃に対する格納容器と燃料取扱建屋の耐久性』『玄海3号機主蒸気系弁の蒸気漏洩れ、圧力計不具合』『玄海4号機の警報の作動』『乾式貯蔵施設』『使用済みMOX燃料等の電力会社間の融通利用』『玄海3号機の作業員の内部被ばく問題』『九電~次世代革新炉の開発・検討に着手する方針』『糸島データセンターの電力需給』を尋ねました。
ドローン問題については、事業者九電としては「法律に従って観察報告するための策を講じており、問題ない。違反行為の解明やテロリスク対策等は、国が行う」というばかりです。言い換えれば、怯えながら、この飛行物体の目的がただの偵察や嫌がらせであって欲しいな!と願うだけなのです。上空を飛行機や未確認飛行物体が飛ぼうと、玄海原発の敷地には常駐の警察官が居るので、起きた事象報告説明などは警察へ捜査協力はするが、報道機関に対しては黙秘する、国に命じられない限り自主判断で原発を停止するつもりはないと言う姿勢なので、「稼働している方が危険性が高まるでしょう?」と訊くと、理由は完全黙秘です。経済第一儲け主義だからです。
国民の生命と人権と財産を守るのは、国や所轄官庁の公務員の役割だから、どんな危険な施設であろうと公的な責任は二の次、又は、事故による破局の確率は低いので考えないで良いことにしているようです。今回のすべての質問に対する回答が共通しています。国が「第七次エネルギー基本計画」を決めたら、その原子力政策に盲従することが大手電力会社の責務となっているかのようです。「核燃料サイクル政策は必ず実現するのでプルトニウムの有効利用、プルサーマルは継続、第二再処理工場は完成する、空冷中間貯蔵は完璧、高レベル放射性廃棄物の地層処分は実現する」等の夢物語が政策シナリオになってしまっています。
国の安全神話から「資源の無い国」には「脱炭素電源」として原発は絶対必要という詭弁を信じさせられて、私たちは愛する人や故郷さえ失うという破局的原発事故を体験しました。今回の質問にあるように計器不良や弁の不良、ナット一個の欠落に及ぶまで原発は完璧でなければならないはずが、30年以上運転して老朽化原発は破れ鍋状態にあり、動かそうとする度にトラブルが出ています。「最悪を想定し、最善を信じ、中庸を行く」という諺があります。今は、私たちのこの交渉のような市民活動や裁判闘争が、最悪を示し、最善要求し、結果として平和を守ることに繋がるのだと思っています。 (荒川謙一)


