玄海原発 行政訴訟と全基差止訴訟、2訴訟「上告断念」
私たちは不当判決に屈することなく、共に闘い続けます
2026年1月20日 福岡高裁 『玄海原発3号機、4号機運転停止命令義務付請求控訴事件(行政訴訟)』 『九州電力玄海原発運転差止、玄海原発3号機運転差止請求控訴事件』の2つの訴訟の不当判決を受け、私たち原告団と弁護団は、苦渋の選択として上告断念を決定しましたので、ここに報告いたします。
高裁判決は、私たちの主張に対して真摯に向き合わず、佐賀地裁の一審判決を踏襲するだけの内容で、理由も明確にせず退けただけの理不尽なものでした。原告としては上告して一審同様に控訴審の過ちを糺すように、私たちの主張請求をできるものなら突き付けたいと思ってきましたが、脱原発弁護団全国連絡会のみなさまの知見を合わせ検討した結果、事実認定をせず憲法判断のみとなる現状の最高裁では、この控訴審判決の内容では闘うことができないという判断を下しました。
また、想定される最高裁判決によっては、私たちの意に反して原発反対の流れに逆の影響を与えかねないということも考慮しなければなりません。
これを踏まえ、また弁護団としても「住民の生活や身体の安全性を考慮する姿勢などが見当たらず、高裁判決は極めて不当。政治的、体制順応的かつ大ざっぱな判断がなされる状況では、上告しても前進的結果を得ることは困難」との考えをまとめました。
今回はぐっとこらえて上告しないが、もう少し手がかりがありそうな時に、最高裁に持ち込み全力結集して闘っていこうということを、全国弁護団のみなさんとも確認いたしました。
ここに私たちは上告断念の報告を申し上げるとともに、不当判決に屈することなく、「玄海原発をみんなで止める」の意志の下に、みなさまとともに闘い続けていくことを誓います。
多くのみなさまの支えによって、2021年3月の地裁不当判決より足掛け5年の歳月を費やし闘うことができました。支援してくださったすべてのみなさまに心から感謝を申し上げます。
“原発はいらない!" 命より大切なものはありません。原発が止められるその日まで、力を合わせて声をあげ続けましょう。
2026年2月3日
玄海3・4号機運転差止控訴審原告団・弁護団
玄海3・4号機運転停止命令義務付け控訴審原告団・弁護団
玄 海 弁 護 団 声 明
2026年2月3日
玄海原子力発電所差止等弁護団
福岡高等裁判所は2026年(令和8年)1月20日九州電力玄海原子力発電所の運転差止や同発電所設置許可処分の取消を求めた住民合計約300名の訴えをいずれも棄却した。地震大国の我国における原子力発電所の安全性に関する争点において耐震性が最重要争点であり、原告ら住民が現行運用され原子力規制委員会の審査を経た基準地震動が過小評価となっている点を安全性における最大争点として主張した。しかし、裁判所はあたかもあらかじめ棄却判断をしていたかの如くに簡単に棄却したことに対し、怒りをもって抗議するものである。住民たちは火山の影響により原子力発電所の設置自体危険であり、同危険に対する審査の結果に判断の過誤・欠落がある旨の主張もしたがあいまいな社会通念をもって棄却し、また、避難計画の不備を主張したことに対し、判決は「実際に放射性物質が異常な水準で放出される原子力災害が起きた場合に、住民が被ばくして生命や身体に対する危険が生ずる可能性があることを否定することはできない」と認めながら、運転の差止めを棄却するなど、おおよそ住民の生活や身体の安全を配慮する姿勢など見当たらない極めて不当な判決を下した。
私達は、判決の内容に鑑みれば当然上告審に訴えることは可能であるが、本件のように事実を確認し法論理を真摯に詰めていくのではなく、政治的ともいうべき大雑把な大勢順応的判断がなされる状況においては、上告においても前進的結果を得ることは困難であることから今回の上告は断念し、反原発の諸運動と協力し、今も下級審で闘っている諸運動体と協力しながら、より将来の勝利を目指して闘う所存であることを述べ、ここに声明する。
